中国プロバスケットボールリーグ（CBA）の新シーズンが間近に迫る中、広東省広州市の地元テレビ局は、昨シーズンのCBAファイナルでMVPを獲得した胡明軒（フー・ミンシュエン）が、「あるドイツのスポーツブランドと広告契約を結んだ」ことを理由に所属する広東宏遠華南虎籃球倶楽部（広東宏遠）から優勝賞金の20％カットの処分を下されたと報じた。

胡は新疆ウイグル自治区ウルムチ市生まれで、中国代表選手でもある。先月末、胡はアディダスと広告契約を結ぶことを発表した。しかし、アディダスが今年、人権問題を理由に新疆産綿の不使用を表明したことで中国国内ではボイコット騒動に発展していたことから、胡の広告契約は大きな論争になった。

ネットユーザーからは「新疆人が新疆綿をボイコットしたアディダスと契約するなんて、皮肉だな」「まったく笑えない冗談だ」「半年前に芸能人が相次いでアディダスとの契約を解消したのに、半年後にバスケットボールのスター選手が喜び勇んでアディダスファミリーに加わるとは」など批判の声が多数上がった。また、所属する広東宏遠の微博（ウェイボー）にも批判の声が殺到。チームとしての正式な発表や、胡の処分を求める声が相次いだ

騒動を受け、チームや胡個人の微博の更新は先月末からストップしていたが、今月8日に地元テレビ局がチームの身体測定の様子を伝えるニュースの中で、チームが胡に対して昨シーズンの優勝賞金の分配分の20％をカットしたことが報じられた。

また、別のスポーツメディアによると、本件を機に広東宏遠は新たな規定を設けた。選手は今後、国内外のいかなるブランドと契約する場合もチームの許可を得る必要があり、違反した場合は給与50％カット、および15試合の出場停止が科されるという。なお、11日に行われたプレシーズンマッチでは多くの選手が起用されたものの、昨シーズンのファイナルMVPで中心選手の胡は出場しなかった。（翻訳・編集/北田）