中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の胡厚崑(ケン・フー)輪番董事長は13日、ドバイで開催した5Gをめぐるフォーラムでの講演で、「世界にはすでに176の5G商用ネットワークが配置され、ユーザー数は5億人を超えた。展開された5G to Bプロジェクトは1万件を超え、その半数以上が中国で生じている」と述べ、5Gの発展速度は予想をはるかに上回っていると指摘した。中国メディアの上海証券報が14日付で伝えた。
記事によると、ファーウェイの次の段階の方向性について、胡氏はXR(クロスリアリティ)業務、企業に向けた5G to B市場およびグリーン・低炭素の発展が重点になるとの考えを明かし、「業界はネットワーク、端末、コンテンツの分野でXRにしっかり備えるべきだ」と指摘。XRは「VR(仮想現実)」や「AR(拡張現実)」、「MR(複合現実)」など先端技術の総称で、ファーウェイは2016年にVR・AR分野に布石を打った。同社は今年、さまざまな場面で「5G生態の成熟に伴い、XRと業界の応用の融合が爆発期に入りつつある」と述べてきており、胡氏は「ファーウェイの5.5Gビジョンにおける重要な方向性の一つとして、10ms以下の通信遅延、4.6Gbps以上の受信速度でクラウドXR業務の需要を満たす」とした。端末レベルでは継続的にハードルを下げ、より軽くて小型、低価格なヘッドマウントディスプレーを提供するという。
胡氏はこの他、生産、採掘、港湾などの分野で5G to Bのソリューションプランの導入が進んでいることを紹介した。すでに10以上の分野で試行が進んでおり、例えば港湾では5G、人工知能(AI)、自動運転技術がうまく応用されて港湾作業の無人化、無照明、24時間稼働が現実のものとなっているそうだ。
ファーウェイは「軍団」の2文字を冠した戦略的グループを立ち上げて従来はなかった分野への進出を進めている。4月に第一弾となる「炭鉱軍団」を誕生させた。最近では「税関および港湾軍団」、「スマート道路軍団」、「データセンター・エネルギー軍団」、「スマート光発電軍団」を発足させたとの文章を社内向けに発表したと報じられ、上海証券報は5G to Bソリューションプランの導入について紹介するに当たり、「軍団設立で5G to Bを深める」との小見出しを付けている。
胡氏は「感染症がデジタル化プロセスを大いに加速させ、クラウドとAIは業界のデジタル化モデルチェンジに欠かせない選択肢となり、グリーンな発展も世界の共通認識となった。これらはICT産業に大きな影響を生んでいる。積極的に行動してこそ、変化により敏しょうに対応できる」と強調し、「ファーウェイはネットワークの強化とソフトパワーの構築を通じて5G to Bに備える。業界の複雑なシーンに対応するため、自動運転ネットワークを通じてスマート化と自動化を5G to Bの各段階に導入する」との考えも明らかにした。
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