Record China 2021年10月21日(木) 0時20分
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18日、韓国・クッキーニュースは「ポスティングのバイト中に死んだ青年、水1本を買うお金もなかった」と題した記事を掲載した。写真は韓国のミネラルウォーター。
2021年10月18日、韓国・クッキーニュースは「ポスティングのバイト中に死んだ青年、水1本を買うお金もなかった」と題した記事を掲載した。
記事によると、暑さの厳しかった8月3日、午後4時19分ごろに仁川(インチョン)西部消防署・佳佐(ガジャ)119安全センターに「酔っ払いのようにふらふらと歩いていた人が倒れた」との通報が入った。出動した救急隊が、意識のない青年を発見。けいれんと高熱の症状を確認し近くの大学病院に搬送したが、青年は翌日午前7時4分、熱中症で死亡したという。
21歳になる青年は、チラシをマンションなどの郵便受けに投函する「ポスティング」のアルバイトをしていたという。住まいは京畿(キョンギ)道富川(プチョン)市だったが、仁川市、ソウル市、水原(スウォン)市など広範囲で仕事を請け負い、交通費の節約のため自転車で移動することもあった。報酬は1回5~7万ウォン(約4800~6700円)だった。
青年は死亡した当日、午前10時ごろ家を出て、地下鉄で仁川に向かった。普段は父親が凍らせた水のボトルを持たせてくれていたが、この日に限って持っていなかったという。所持していたのは足の不自由な父親名義の障害者優待用交通カード(交通系ICカード)だけで、コンビニで水を買って飲めるだけのお金もなかったという。
青年と父親は基礎生活保障(生活保護)の受給者で、1カ月105万ウォン(約10万円)を受け取っていたが、2人で暮らすには十分な金額とは言えなかった。収入があるとなれば受給資格が剥奪されるか受給額が減額になるため、青年は隠れてアルバイトをしていた。中学生の時にいじめに遭い、高校に進学できず、トラウマから対人恐怖症となった青年には就職は難しく、また仕事の選択肢もほとんどない状態だったという。
息子を失った父親は1人世帯となってしまうため、今後の生活保護受給額は53万8349ウォンになるという。
この記事は韓国のネット上で反響を呼んでおり、「なんて気の毒な」「胸が痛む。生きるために必死で努力していたのに」「まだ21歳、やりたいことも、食べたい物もたくさんあっただろうに。貧しさという重荷を1人で背負って生きて、寂しく死んでしまった。どうか安らかに」など、故人の死を悼むコメントが殺到している。
また、「税金が正しいところに使われますように」「こんなつらいことが二度と起きないように、行政が何とかできないのか」「国の金はこういう人たちを助けることに使うべきだ」「悲しい現実だな。若者1人助けることのできない、政府の福祉政策」「この2人が無気力だったのか、それともこの社会が無慈悲なのか」などの政府批判や、先ごろ野党議員の息子が50億ウォンもの巨額を退職金として受け取っていたことが明らかになったことから、「誰かさんは退職金に50億ウォンももらっているというのに…」「50億ウォンを回収して、こういう人たちを救うべきだ」などの声も上がっている。(翻訳・編集/麻江)
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