中国国防部の譚克非（タン・カーフェイ）報道官は19日、米原子力潜水艦の衝突事故に関する記者の質問に答えた。

【記者】米原潜「コネティカット」が先日、南シナ海海域で潜航時に不明の物体に衝突して一定の損傷を受け、一部人員が負傷したとの報道について、中国側としてコメントは。

【譚報道官】中国側は今回の出来事に重大な懸念を表明し、明確な説明を米側に要求する。当事国である米国には、状況を詳細に説明する責任と義務がある。

米軍は事故の詳細について故意に引き延ばし、隠蔽し、衝突事故が発生してから5日近く経ってようやく声明を出したが、その内容は不明瞭なものだった。このような無責任で隠蔽的なやり方は、透明性を欠き、誤解や誤った判断を極めて容易に招くものであり、中国及び南中国海周辺諸国はこの出来事の真相や米国の意図に疑問を抱かざるを得ない。

今回の出来事は、最近の米英豪による安保枠組み「AUKUS」の構築及び原潜協力によって、オーストラリアのような非核保有国が核兵器の製造に使用可能な核物質を入手できるようになり、兵器級高濃縮ウランが必要な規制・監視から外れ、核拡散の多大なリスクがもたらされることを示した。さらには、このような事態が核兵器不拡散条約の精神に著しく違反し、国際的な核不拡散体制に衝撃を与え、軍拡競争を誘発し、東南アジア非核地帯の構築を妨げ、核事故の発生確率も大幅に高め、地域の平和と安全に厳しい試練をもたらすものであることも示している。

中国は米側に、各国の懸念を真剣に受け止め、責任ある姿勢をとり、今回の出来事について、国際社会や地域の国々が納得できるような説明を早急にするよう要求する。（提供/人民網日本語版・編集/NA）