亜洲週刊 2021年10月24日(日) 7時0分
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香港誌・亜洲週刊」は、日本は尖閣諸島や台湾海峡の「有事」への備えを強化しつつあると論じる記事を掲載した。写真は海上自衛隊FB公式アカウントより。
香港メディアの亜洲週刊はこのほど、日本は尖閣諸島や台湾海峡での「有事」への備えを強化しつつあると論じる、毛峰東京支局長の署名入り記事を掲載した。陸上自衛隊が11月下旬まで2カ月強の日程で行っている演習を根拠に、日本には10万人の兵力を迅速に展開させる能力があるなどと紹介した。
記事はまず、最近になり海上自衛隊の「はくげい」が進水し、護衛艦「いずも」では固定翼ステルス戦闘機のF-35Bの発着が成功したと紹介した。さらに、陸上自衛隊第一空挺団が初めて、日本を飛び立って米領グアムに直接降下する日米合同の島奪回の演習を実施したことや、陸上自衛隊が初めて10万の兵力を出動させる演習を実施したことにも触れた。
記事は、自衛隊の動きについて、日中間で偶発的に勃発する可能性がある軍事衝突や、「台湾海峡有事」に備えた実戦の準備との見方を示した。また、日本は5年以内に空母2隻保有の状況を実現し、そのことが「海上自衛隊の新紀元」と呼ばれていると紹介した。
兵力10万人を投入する陸上自衛隊の大規模演習については、隊員の7割が参加するだけでなく、通信や医療、後方支援などあらゆる分野が参加する点で「まれに見る」と論評し、演習期間の長さも前例がないと紹介した。
記事はさらに、陸上自衛隊の大規模演習について、「常続的陸上自衛隊展開訓練構想(CPEC)」の具体化との見方を示した。防衛省・自衛隊の説明によれば、同構想は「高い練度を保持した陸上自衛隊部隊を南西地域などに起動展開し、錬成訓練を実施することにより、抑止力及び対抗力の向上を図る」ものだ。さらに具体的には「機動師団・旅団の機動展開及び島しょ部における錬成訓練」、「北海道をはじめとする国内や米国・オーストラリアなどの国外の良好な訓練基地への機動展開訓練など」、「水陸機動団の艦艇と連携した南西地域における洋上機動展開及び島嶼部における錬成訓練」などを含む。
記事はCPECが想定している戦闘について、尖閣諸島などの奪回作戦であり、陸上自衛隊の水陸機動団と米海兵隊が主力となって相手部隊を「包囲壊滅」することにあるとの見方を示した。水陸機動団は2018年3月に新たに編成された部隊で、「日本版海兵隊」と称されることもある。所在地は長崎県佐世保市だ。
記事はさらに、陸上自衛隊の第2師団が大規模演習に参加することにも注目した。第2師団は北海道の旭川駐屯地に拠点を置く部隊だ。記事は同師団を、旧ソ連/ロシアと対抗する最前線に設置された、日本の「精鋭主戦部隊」と紹介。自衛隊員約5200人と1000台規模の戦車や戦闘用車両など、全師団を日本の最北部から南西部の九州までの1500キロ以上を迅速に駆けつけさせることは「前代未聞」と評した。
記事は、演習期間の約2カ月について、自衛隊による作戦任務の継続期間を想定しているとの見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人)
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