Record China 2021年10月29日(金) 6時0分
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27日、米華字メディア・多維新聞は「台湾は第二の北朝鮮になるか」という評論記事を掲載した。写真は台湾。
2021年10月27日、米華字メディア・多維新聞は「台湾は第二の北朝鮮になるか」という評論記事を掲載した。以下はその概要。
東アジアの地政学的構図を見ると、台湾と朝鮮半島が2つ潜在的なホットスポットであると言える。北朝鮮は経済大国ではないものの、核武装と自己開発のミサイルで米国との交渉カードを得ようとしている。台湾は米中対立の中で、自らの軍事力は中国軍より10年以上遅れているものの米国の戦略に呼応している。米トランプ政権末期に提唱された台湾を「ハリネズミ」のごとく武装化する方針に答えるべく、近頃2400億台湾ドル(約9800億円)の特別予算案を組んでミサイルシステムの強化を打ち出したことで、「北朝鮮を見習おうとしているのでは」との議論も起きた。
しかし「東アジアのハリネズミ」になりたい北朝鮮と台湾では状況が大きく異なっている。
北朝鮮は軍備の拡充とともに核武装を進めている。これにより在日、在韓米軍に深刻なダメージを与える最初の一撃を加えることができるものの、二の矢、三の矢を出す力はない。特に近代的な空軍編隊がなく、防空システムも古いため、ひとたび韓国空軍と遭遇すればボコボコにされて終わるはずだ。つまり、北朝鮮の軍備拡張は実戦的な意味よりも、政治的な脅しの意味合いが強く、北朝鮮にすれば韓国と開戦したり、日本を襲撃するのは下策中の下策なのだ。時々ミサイルを発射して東アジア情勢をかく乱するとともに、米国に圧力をかけて制裁解除を勝ち取ることこそ、彼らの狙いなのだ。
北朝鮮の「トゲはあるが痛くはないハリネズミ」に対し、台湾は「トゲすらない」状態であり、もはやハリネズミですらない。
台湾の軍備強化姿勢は1996年の台湾海峡危機当時の思考で止まったままだ。まず、台湾軍は人民解放軍の「第1撃」の威力を見くびっており、自身が今年4月に実施した「漢光37」軍事演習中の戦闘シミュレーションにて台湾軍が戦闘開始数分で解放軍の打撃を受け、澎湖、桃園、新竹、嘉義など西海岸の飛行場が壊滅状態になった事実を完全に無視している。こんな状況になれば防空システムはマヒし、各飛行場に所属する台湾軍の主力戦闘機も使い物にならないだろうに。
また、2400億台湾ドルの特別予算でミサイル攻撃能力を強化しようとしているが、実現には至らないだろう。ミサイルの組立工場、部品工場が不足しており、そもそもミサイルが量産できないからだ。ミサイル生産拠点を増やそうとすれば、2400億台湾ドルではほんの気休め程度だ。
北朝鮮は武力的な「第1撃」を実際に繰り出さなくても、他国を脅す上での政治的な「第1撃」を放つ事ができるのに対し、台湾は単なる「裸の王様」に過ぎない。経済的に極度に依存している中国本土に対して関係修復を求めないばかりか、「ハリネズミ」のポーズをしばしば見せているのだが、その体にトゲはなく、素っ裸なのだ。それを周囲の人間は見てみぬふりをしていて、台湾はまるで自己催眠にかかっているかのように興奮している。
はっきり言って、台湾は第2の北朝鮮になれない。そのポイントは軍事力よりも、そもそも武力統一の可能性を直視していないことにある。第2の北朝鮮になれないばかりか、第2のアフガニスタン政府軍になることすらかなり難しいのだ。(翻訳・編集/川尻)
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