日本の選挙投票率はなぜ低迷しているのか―中国メディア

Record China    2021年10月29日(金) 16時20分

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29日、中国メディアの澎湃新聞は、日本の衆議院選挙の投票率が低い理由について、日本の専門家による分析を紹介する記事を掲載した。

2021年10月29日、中国メディアの澎湃新聞は、日本の衆議院選挙の投票率が低い理由について、日本の専門家による分析を紹介する記事を掲載した。

記事は、31日に投開票が行われる衆議院選挙について日本メディアが先日実施した世論調査で、選挙に「非常に興味がある」と回答した人の割合が3割に満たない結果になったことを紹介。民主主義選挙支援国際研究所(国際IDEA)が昨年発表したデータで、各国の議会選挙の中で日本の投票率が139位となり低投票率国に属することが明らかになったとし、1993年の衆院選までは70%前後の投票率を維持していたものの、96年に初めて60%に落ちて以降は低迷を続けており、17年に行われた前回の衆院選の投票率はわずか53.7%だったと伝えた。

また、20〜39歳の若い有権者の投票率が平均を大きく下回り、半数に届かないほか、平均を上回っている60代以上の有権者においても過去に比べると明らかな減少傾向が見られるとしている。

その上で、東北大学大学院情報科学研究科の河村和徳准教授が低投票率化を引き起こしている大きな要因として、社会構造や政治の枠組みが安定し、市民の生活満足度が高まったことで、多くの市民の注目点が「公的利益」から「私的追求」へとシフトしたことを挙げるとともに、市民も個人のビジョンについて政治参加を通じる必要がない、あるいは政治参加を通じてでは実現できないことに気づいたとの見解を示したことを伝えた。

さらに、河村氏が農耕文化による個々の緊密なつながりが希薄化し、かつてのように「みんなで投票に行く」といった行動や、自発的な応援活動を行うシーンが少なくなったという社会的な変化も要因にあると述べたことを紹介した。

記事は、投票率の低下に伴って「特定の支持層」を持つ政党が勝ちやすくなっているとの分析にも言及。特に自民党は長期政権の中で財界、農協、中小企業の各団体や日本医師会を含めた友好団体を獲得し、幅広い社会の支持基盤を築いているため、その牙城を崩すことが難しくなっていると伝えた。

このほか、野党の実力不足も有権者の投票意欲を低迷させているという観点も紹介。12年に当時の民主党政権が崩壊し自民党が与党に復帰して以降、野党は小規模分立の状態を続けており、前回の選挙まで統一候補を擁立することができなかったほか、民主党政権の不調が多くの有権者に野党に対するネガティブなイメージを定着させてしまい、現在の与党に対する不満を抱きつつも、野党に「一票を託す」という選択には踏み切れないでいるとした。(翻訳・編集/川尻

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