中国メディアの騰訊網は30日、中国のアイスホッケーチームは恐らくは、北京冬季五輪に出場できないと指摘する記事を掲載した。国際アイスホッケー連盟（IIHF）が、中国の男子チームは「弱すぎる」と判断しているからという。

五輪大会では多くの種目で開催国に出場権が与えられるが、アイスホッケーは例外だ。ただしIIHFは当初、中国チームについて例外的に出場を認める方針だったという。記事は、中国が世界一の人口を持ち、経済大国でもあり、アイスホッケーにとっても「巨大な市場」になる可能性があるため、IIHFは中国チームを出場させることで、中国におけるアイスホッケー浸透に「青信号」を出したかったと紹介した。

しかし最近になりIIHFは中国の女子チームの五輪出場は認めるものの、男子チームについては否定的な声が聞こえてきた。新任のリュク・タルディフIIHF会長は、「中国の男子アイスホッケーチームはレベルが高くない」として、「0－15で敗れる姿を目にするのは誰にとってもよくない。中国にとってもアイスホッケー界にとってもよくない」と述べたという。記事によると、IIHFは世界ランキング32位の中国に替えてランキング11位のノルウェーを北京冬季五輪に出場させる考えとみられている。

記事は、男子アイスホッケーと男子サッカーについての自国の状態を比較した。中国ではサッカーが人気スポーツだが、自国の男子チームの弱さを嘆いたり憤ったりする人が多い。記事は、アイスホッケーはサッカーほど普及しておらず、男子アイスホッケーの世界における順位が32位であることも、参加国が数十国しかないことを考えねばならないと指摘。中国の男子アイスホッケーチームは韓国に0－10で敗れたが、男子サッカーなら0－3程度の敗北が常態と紹介して「男子アイスホッケーは男子サッカーよりさらに弱い」と主張した。

記事は事情に詳しい人の分析として、IIHFが中国男子チームの出場を取り消すであろう理由を紹介した。まず冬季五輪はアイスホッケーにとって最高水準の競技会であり、試合の見ごたえや権威性を考慮する必要がある。次の理由としては、北京五輪には米国やカナダという最強チームが出場するため、中国が対戦すれば「天文学的な点差」で敗北することが考えられること。さらに弱小チームを出場させれば、IIHFも中国チームも「恥ずかしい」思いをすることになるからという。（翻訳・編集/如月隼人）