中国で起こる「売春合法化」論に中国紙がくぎ刺す

Record China    2021年11月5日(金) 0時20分

拡大

3日、法治日報は、「売春合法化」の論調は止めるべきだとする評論記事を掲載した。

2021年11月3日、中国紙・法治日報は、世界的ピアニストのユンディ・リ(李雲迪)が買春容疑で拘束されたことを受け、「売春合法化」を求める声が上がっていることについて、こうした論調は止めるべきだとする評論記事を掲載した。以下はその概要。

近ごろ、警察がある公的人物の買春について発表した情報が、大衆から広く注目を集めた。警察による発表が合法的かという問題から、プライバシー権が守られるべきかという点に至るまで、さまざまな立場から激しい議論が繰り広げられると同時に、「売春の合法化」という旧来の論調が再び繰り広げられ始めた。

いわゆる「売春の合法化」とは、娼婦の活動を法的に許可し、社会から認められる特殊なサービス産業とすることである。賛成者は、男性にとって必要な生理的欲求を満たし、性犯罪を減らす、両者合意の上での行為であること、一部の国で合法化されていることを理由に挙げている。一見合理的な理由に思えるが、実のところは詳しい検討がなされたものではないのである。

まず、人類の性の権利は平等であるべきで、単に男性の性的欲求を満たすために売春を合法化したり、他人の性的自主権を侵犯したりしてはならない。人間は欲に弱い生き物であり、その弱点をコントロールするのが法律の重要な役目なのだ。

また、売春は金銭と性的サービスの交換だが、性的サービスの提供者に自由はなく、取り引きをする両当事者の地位が対等であることもあり得ない。売買春が「同意の上」というのは表面的なものであり、その本質は性的搾取、性的圧迫なのである。

そして、外国でも性取引の合法化が決して主流という訳ではない。スペイン政府は売春の取り締まり計画を発表し、英国でも路上の客引きが取り締まりの対象になっている。フランスやスウェーデンでも相次いでポルノ産業を取り締まる法律ができており、米国でも性取引が合法なのはネバダ州だけだ。

さらに警戒すべき点は、性取引が各種犯罪の温床にであり続けているという点だ。性取引が合法化、あるいは一般化している国であっても、女性の性従事者はあらゆる職業のなかで最もリスクが高く、当事者が暴行あるいは殺害される確率も高い。売春を合法化すると、強制売春罪、組織売春罪、幼女誘引売春罪などが有名無実化し、女性の合法的な権利を著しく侵害する違法行為の取り締まりができなくなり、現行の刑法に基づく犯罪ガバナンス体系が崩れることになる。

歴史や文化のバックグラウンドを深く掘り下げて考えれば、売春行為は中国の特色ある社会主義の柱となる価値観に反し、女性の権利を侵害し踏みにじるだけでなく、社会の管理秩序に対する潜在的なリスクでもある。それゆえ、「売春の合法化」といった古い議論をまん延させるのはもう止めるべきだ。(翻訳・編集/川尻

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携