欧米諸国で「東洋の黒い宝石」と呼ばれる福州市の「脱胎漆器」―中国メディア

人民網日本語版    2021年11月15日(月) 18時50分

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福建省福州市の「脱胎漆器」は200年以上の歴史を誇り、中国国内外で有名だ。

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福建省福州市の「脱胎漆器」は200年以上の歴史を誇り、北京の「景泰藍」や江西省の「景徳鎮瓷器」と並び、中国伝統工芸の「三宝」と呼ばれ、中国国内外で有名だ。2006年、「福州脱胎漆器」のうるし塗りの技術は、中国国務院により第一陣の国家級無形文化遺産リストに登録された。また、2010年、当時の国家質量監督検験検疫総局は「福州脱胎漆器」の「地理的表示(GI)」を保護することを承認した。人民網が伝えた。

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「脱胎漆器」という名前の由来はその作り方にある。まず、粘土や石膏などを使って器物の型を作り、「夏布(苧麻布)」と呼ばれる布をその表面に張り付け、天然の漆や灰などで作った「漆泥」を何度も塗って固めると、「夏布」が少しずつ「漆布」になる。その後、それを日陰干しし、「漆泥」が乾いた後に「型」を外すと「脱胎」となる。その後、残った「漆布」に上漆を塗り、磨き上げ、最後に漆塗りで絵や模様を描くと完成だ。

福州の「脱胎漆器」は、軽くて薄く、なめらかでつやのある仕上がりで、腐敗しにくいといった特徴がある。その製造工程は非常に複雑で、材料選びや型作り、型外し、漆塗りなど数十工程があり、100以上の工程を必要とする場合もあるという。福州脱胎漆器漆塗り技術の代表的な無形文化遺産伝承人・朱冰さんは、「漆器作りは非常に時間がかかる。昔ながらの『脱胎』の技術で作られた仏像の中には2-3年かけて作られたものまである」と話す。

「脱胎漆器」の美しさは、その形のほか、バラエティーに富んだ漆塗りの「髹飾」によって決まる。漆塗りとは、漆を使って「漆器」に色や絵、模様を付けて仕上げることだ。

ほとんどの漆器のベースの色は茶色、黒、赤などであるのに対して、福州脱胎漆器は褐色、黄色、緑、青など、バラエティーに富んでいるほか、金箔を使って高級感を加えている。ベースが黒い漆器は、金の美しさや銀の輝きをさらに引き立てている。さらに、漆器は防腐効果が高く、長い年月が経っても変色しにくい。「脱胎漆器」は美しく、多彩で、非常に精巧に仕上げられているため、西洋諸国では「東洋の黒い宝石」と呼ばれている。

福建省の市文化観光当局はここ数年、中国各地で行われた文化博覧会に参加し、漆器製作従事者に無料で作品を展示するブースを提供してきた。また、福州市は閩江学院や閩江師範高等専科学校、福建省芸術職業学院など多くの高等教育機関に「脱胎漆器」の漆塗りを専門とする学科を設置し、研究だけでなく芸術的才能や制作能力を備えた無形文化遺産人材を育成している。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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