「ダブル11」セールに新たな変化、今年よく売れたのは何?―中国

人民網日本語版    2021年11月16日(火) 13時50分

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今年の「ダブル11」消費市場では、高品質化、差別化、個性化の細分化されたニーズが一層進んだことにより、「養生族」や「育児族」などの新興消費層が急速に発展した。資料写真。

今年の「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)消費市場では、高品質化、差別化、個性化の細分化されたニーズが一層進んだことにより、「養生族」や「育児族」などの新興消費層が急速に発展した。新華社が伝えた。

■惜しみなくお金を使う「育児族」

真新しいスキー板、トレーニングマット一式……重慶市で子育て中の譚勇(タン・ヨン)さんの「ダブル11」買い物リストを見ると、子どものために購入したスポーツ用品がずらりと並んでいた。今では、譚さんのように「熱心な親」はトレーニング機器やスポーツのトレーニングカリキュラムに目を向け始めている。EC大手の京東が発表した「ダブル11」プレセール開始初日の全品目データでは、「スポーツ用シューズ・バッグ」類の売上額が上位に並び、イベント当日の11日午前1時の時点には、天猫(Tmall)でスキーグッズの取引額が前年同期比140%以上増加した。

スポーツ関連消費だけでなく、子どもを連れて温泉に行く、一家で海南省で暖かい冬を過ごすなども、「育児族」の新たな硬直的需要だ。旅行サービスプラットフォームの飛猪がまとめたデータでは、今年の「ダブル11」の雪や氷に関連した旅行商品の予約件数は前年同期比2倍以上増え、東北地域にある長白山の氷雪観光関連商品の取引額も同200%以上増加した。また11月1~10日には、海南省を目的地とした旅行商品の取引額が同280%以上増加し、温泉関連の旅行商品の予約件数も同120%以上増加した。

広東省の広東温泉賓館の王瑛(ワン・イン)副社長は、「当ホテルでは子ども用プールなど親子で楽しめる施設を増設した後、親子連れのお客様が目に見えて増加した。今年の『ダブル11』期間は、11月1~4日にレストランの人気コースメニューの売上高が昨年の2倍になり、元旦と春節(旧正月、来年は2月1日)の一部の人気の日はほぼ予約でいっぱいだ」と説明した。

■ヘルスケアに大忙しの「養生族」

「収入の増加ペースが髪の抜けるペースに追いつかない。生え際が緊急事態だ!」。このように話すのは広州市のサラリーマンの周政超(ジョウ・ジョンチャオ)さん(45)。毎朝しわではなく生え際が上がっていないかどうかを鏡でチェックするという。周さんは「ダブル11」には会社近くのショッピングセンターにある「養髪館」で植毛の年間利用パスを5000元(約9万円)近く払って購入し、これから毎日、昼休みに頭のケアに行く予定だ。

ショッピングサイトの唯品会の「ダブル11」スタートから24時間の販売データを見ると、四川省だけでヘルスケア関連商品の受注量が同120.7%増加し、購入者数も同5倍以上増加し、うち商品の39%近くを「80後(1980年代生まれ)」が、20%近くを「90後(1990年代生まれ)」が購入している。

健康をめぐる消費が硬直的需要になった背景には、人々の間で健康観念が育ってきたこと、健康を重視するようになったことがある。消費の高度化に伴い、ますます多くの人が自分自身の健康を重視するようになった。このことは医薬保健類商品の購入状況だけでなく、ヘルスケア関連サービスの消費の伸びにも体現されている。

10月20日に天猫の「ダブル11」プレセールが始まると、中高年層が淘宝(タオバオ)と天猫で注文した健康診断関連消費額が前年同期の2倍増加した。10月21~28日には、京東のプレセール期間の重慶市における健康診断関連消費額が同134%増加した。中高年の全身コースなら3割引き、並ばなくて済むVIPコースなら5割引きなど、重慶の健康診断を扱う大手医療機関はオンラインプラットフォームで次々に割引きキャンペーンを打ち出し、ヘルスケアに気を配る「養生族」を呼び込もうとした。

■消費意欲の高い「小都市の若者」

明るい性格でファッション好きの徐振環(シュー・ジェンホワン)さんは、生まれも育ちも安徽省宿州市の「90後」の「小都市の若者」で、「ダブル11」のオンラインショッピングの買い物かごにはさまざまなブランドの洗顔フォーム、衣類、靴、中国風のトレンド玩具がいっぱい入っていた。「今年は『ダブル11』で合わせて4000元(約7万2000円)近く使った。買ったのは国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)のブランドが多く、こういったものは自分にとって硬直的需要だ」という。

国潮ブランドを好むのは徐さんだけではない。故宮と同じデザインの家具から国産ブランドのスニーカーまで、さまざまな国潮商品が今年の「ダブル11」には非常によく売れ、ここから徐さんのような「小都市の若者」たちが、中国の消費の「新たな担い手」になりつつあることがうかがえる。

国潮の各種文化・クリエイティブ商品だけでなく、日頃は高価で手が出ないビッグブランドのスマートデバイスも、「ダブル11」には「小都市の若者」に非常に人気のある商品になった。天猫の「ダブル11」初日には、五線及びそれ以下の都市のスマートホーム設備の売上高が同61%増加し、スマートロック、窓掃除ロボットなどが今年の小都市での人気商品になった。京東では小都市のユーザーの割合が77%を超え、郷・鎮、行政村を主にカバーする京東の家電専門店では、全体の取引額がイベント開始2時間で昨年のイベント当日全体の金額を追い越した。

中国国際経済交流センターの陳文玲(チェン・ウェンリン)チーフエコノミストは、「ファッション、健康、レジャー、品質を追求する新しい消費層が、中国を牽引して個性化、多様化、多層化した消費の時代へ進む流れを加速させている。消費層の成長、経済、社会、文化の急速な発展や変化は、これから新しいタイプの消費の発展を持続的に推進し、新たな消費の価値体系の持続的な再構築を推進するだろう」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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