外国人観光客2500万人の目標に「日本人」は必要か?韓国が抱えるジレンマ

Record China    2021年11月22日(月) 10時40分

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韓国・マネートゥデイは「訪韓観光客2500万人を目指す韓国に日本人観光客は必要か」と題する記事を掲載した。写真はソウル。

韓国メディア・マネートゥデイはこのほど「訪韓観光客2500万人を目指す韓国に日本人観光客は必要か」と題する記事を掲載した。

記事によると、新型コロナウイルス拡大前の2019年、日韓間の観光客数は計886万人に上っていた。訪韓日本人は訪韓外国人全体の18%に達し、訪日韓国人も訪日外国人全体の17.5%を占めた。韓国では「日本旅行ボイコット」の動きも広まったが、それでも1000万人近くが日本を訪れていたという。

記事は「日韓は2019年に過去最多の外国人観光客を誘致し、観光が新たな成長エンジンであることを示したが、日本にとっては韓国、韓国にとっては日本がそのための大きな役割を果たした」と指摘している。

日韓観光当局は今月17日に「日韓観光振興協議会」をオンラインで開催し、両国間の観光交流の再開と活性化に向けた協力案を議論した。韓国文化体育観光部のキム・チャンホ観光政策局長は「両国の防疫状況の好転と共に、近いうちに具体的な成果が出てほしい」と期待を述べたという。

これについて記事は「近いうちに日韓間の観光交流が再開されるという意味だ」としている。実際に文化体育観光部のファン・ヒ長官は最近のインタビューで「シンガポールとのトラベルバブル(コロナワクチン接種者を対象に相互の隔離なしの往来を認める協定)を皮切りに国際観光を拡大している」「日韓観光振興協議会と来年の日中韓観光大臣会合を通して、重要な訪韓顧客である日本・中国と域内観光回復の基盤を固めたい」と話したという。

ただ、これをめぐっては「日本との観光再開が必要なのか」と疑問を示す声も少なくないという。理由としては両国のコロナ状況が芳しくないこと、観光収支の面でこれまで韓国が損してきたこと、両国関係が依然として緊張状態にあることなどが挙げられている。

ネット上には「日本とトラベルバブルを結んでほしい」「日本人を歓迎する。貿易収支の不均衡を解消するには旅行収支がいちばん」など肯定的な声も見られるものの、やはり多くは「日韓交流の正常化には賛成だが、観光客を増やすのはまだ早い。一番の心配はコロナで、韓国は感染者数が激増中、日本は減少しているけど検査数が少ないから信用できない」「日本人は安い韓国海苔しか買っていかないから、焦って観光を再開させる必要はない」「まだまだノージャパンを続けるべきだ」など否定的なものとなっている。

一方で、旅行業界は「観光回復の基盤を固めるには日本との交流は避けられない」との立場を示している。韓国にとって日本は最もアクセルしやすい旅行先で海外旅行の負担が少ない上、2010年代初めの航空路線拡大により旅行需要が急増してから航空業界とアウトバウンド旅行業界が日本市場により少なからず収益を得たという。

また、特にインバウンドでより効果が現れると予想されているというが、これは「訪韓日本人の多くが韓流に熱狂するMZ世代(1981~95年生まれのミレニアル世代と96~2012年生まれのZ世代)の女性個人観光客で、政治・経済的イシューに大きく影響を受けないため」だという。

韓国観光公社関係者は「日本のMZ世代の女性は政治的状況を問わず訪韓観光への関心が高く、こうした現象が『渡韓ごっこ(韓国旅行中の夜を想定して写真をSNSにアップする遊び)』の流行につながっている」とし、「コロナ前に日本は訪韓観光の第2市場だったため、『渡韓ごっこ』により高まった韓国への関心がコロナ後は訪韓観光需要につながるだろう」と話したという。(翻訳・編集/堂本

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