「マグネシウム電池」に多くの国が注目、ポスト・リチウム電池時代の到来か―中国メディア

Record China    2021年11月24日(水) 6時0分

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22日、環球時報は、リチウム電池に代わる電池としてマグネシウム電池などが新たな研究トレンドになっていると伝える一方で「ポストリチウム電池の時代は来るのか」とする記事を掲載した。

2021年11月22日、環球時報は、リチウム電池に代わる電池としてマグネシウム電池などが新たな研究トレンドになっていると伝える一方で「ポストリチウム電池の時代は来るのか」とする記事を掲載した。

記事は、日本メディアが先日、英ケンブリッジ大学のほかデンマークイスラエルの工科大学、ドイツ、スペインの研究機関からなる共同研究チーム「E-Magic」がEUの資金援助の下、2030年を目標としてリチウム電池より大容量で、環境保護性の高いマグネシウム電池、マンガン電池の開発を進めていると報じたことを紹介した。

そして、現在広く用いられているリチウム電池の最大の欠点はコストの高さであり、「ポストリチウム時代」の主な目標はコストの圧縮と高い耐久性であると説明。「E-Magic」はより低いコストで効率の高い電池が作れるマグネシウムに、新たな電池材料として白羽の矢を立てたと伝えた。また、東北大学の小林弘明助教と本間格教授は新しいマンガン電池の開発を進めており、有機溶媒に代わって水溶液を電解液に用いることで火災事故のリスクを減らせる上、製造コストも低く抑えられることから、将来的には再生可能エネルギーの備蓄用に広く用いられる可能性があるとした。

その上で、中国のリチウム電池業界データプラットフォーム・真鋰研究の首席アナリスト・墨柯(モー・カー)氏が環球時報に対し「現在開発が進むリチウム電池代替技術では、マグネシウム電池、マンガン電池の他、ナトリウム電池が挙げられる」とする一方で、現状ではマグネシウム、マンガン、ナトリウムいずれの材料も大規模な商業化利用の段階に至るまでにはなおも相当大きな隔たりがあり、研究室での実験段階の域を出ていないと指摘し、性能上の欠陥も多いと語ったことを伝えた。

また、「ポストリチウム」技術開発が熱を帯びている理由は、代替材料の性能が優れているからではなく、資源がより豊富で材料価格が安く抑えられるからだとの見方を示したことを紹介した。

さらに、墨氏が今年のリチウム電池関連材料価格は人為的な価格釣り上げによるものであり、リチウムの埋蔵量だけを考えれば「ナトリウム、マグネシウム、マンガンには遠く及ばないものの、それでも今後30〜50年は十分に持つ」としたほか、リチウム電池にはまだまだ高いエネルギーを効率を持たせる技術的な開発の余地があり、研究が進んでいると説明、当分の間は「ポストリチウム」時代が到来しないとの認識を示したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻

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