2021年12月9日、中国メディアの観察者網は、米紙ニューヨーク・タイムズが中国の新型コロナワクチン接種に関する記事で掲載した写真を巡って、激しい批判を浴びたと報じた。

記事は、同紙電子版が6日に発表した新型コロナワクチンに関する文章で、中国の児童が大人に目を覆われ、泣き叫びながら接種を受ける画像を付したと紹介。この写真について米国内外から不満の声が出て、同紙電子版のコメント欄が炎上したと伝えた。

そして、最も多くの賛同が寄せられたコメントとして、米国の救急診療医師でニューヨーク大学医学部准教授を務めたことがあるウチェ・ブラックストック氏による「この画像はワクチン推進を阻む効果しかなく、完全に無益。私の5歳と7歳の子どももワクチンを打つ前にこの画像を見たらおびえたかもしれない。注射針が好きな人はいないが、われわれがやるべきはワクチン接種の奨励であり、阻害ではない」という意見を紹介している。

その上で、ネット上での炎上を受けて同紙が6日夜に「こっそりと画像を差し替えた」と指摘。しかし、ネットユーザーはすでに「魚拓」を取っており、元の画像を掲げつつ「事後に来た人には参考にしてほしいのだが、これが元の画像だ。同紙は画像と文章が全く関係ないと批判を浴びて画像を差し替えたが、これは編集のルールや事実を求めるという基本的な原則に完全に背いている」と改めて批判を展開したと伝えた。

記事はさらに、同紙の当該記事は画像だけでなく、本文も「子どもへのワクチン接種に害があるのではないかと心配だ」という「中国の保護者の声」を一方的に引用した上で、ニューヨーク大学の教授による「接種を受けなければ、地域や学校で冷遇される」という「憶測による結論」を伝える内容だと批判している。（翻訳・編集/川尻）