ファーウェイ、「ノーベル賞より困難」とも言われる数学フィールズ賞受賞者を招き入れ

Record China    2021年12月12日(日) 8時20分

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ファーウェイは、自社研究所に迎え入れたフランス人数学者のローラン・ラフォルグ氏(写真)の動画を公開した。同氏は「数学の賞として最高峰」とされるフィールズ賞を受賞した人物だ。

中国の大手通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)はこのほど、約3カ月前に迎え入れたフランス人数学者のローラン・ラフォルグ氏がファーウェイに入社した経緯やファーウェイの発想などについて語る動画を発表した。ラフォルグ氏は2002年に「数学の賞として最高峰」とされるフィールズ賞を受賞した人物だ。

数学では歴史上、「論理的欠陥」の多い理論も多かった。例えば17世紀末に登場したニュートンなどによる微分積分の手法は物理学や工学の発展に大きく貢献したが、理論の最も土台となる部分は欠落していた。数学において徹底した「厳密化」や「抽象化」が急速に進んだのはおおむね19世紀だった。しかし、あまりにも抽象化したので、純粋数学の理論の多くに「実用性はほとんどない」との考えも広まった。しかし20世紀末ごろから、IT技術の急速な発展と関連して、最先端の数学理論の現実世界への応用が改めて見直されるようになった。

ラフォルグ氏のフィールズ賞受賞理由は、1960年代から提唱されていたが50年以上にわたって全面的には解決されていなかったラングランズ・プログラムという数学上の難問に決着をつけたことだった。

ちなみにフィールズ賞は「数学のノーベル賞」などとも言われるが、4年に1度しか授与されないことや、40歳以下の年齢制限があることなどから、受賞は「ノーベル賞」以上に難しいとの見方もある。

ラフォルグ氏によると、初めてファーウェイに接触したのは、4年前に数学の応用に関する会議に招待された時だった。自分の研究内容に多くの人が関心を示すととは、思いもよらなかったという。また、ラフォルグ氏も工学分野を特に知っていたわけではなかった。

ラフォルグ氏が特に専門的に研究してきたのはトポス理論だ。極めて抽象的な世界だが、ラフォルグ氏によると、人工知能の今後の理論構築にとってトポス理論は極めて重要と認識されており、ファーウェイの研究スタッフもトポス理論に取り組み始めたという。

とは言え、高度な理論がただちに応用されるとは考えにくい。基礎研究の探求はファーウェイの長期計画の一部であり、多くの人が10年あるいは20年先の未来を見据えて発想している。ラフォルグ氏はファーウェイのこのような姿勢を「非常に貴重」と評価した。

ラフォルグ氏の現在の勤務場所はファーウェイのパリ研究所だ。ファーウェイは2020年にはパリ市内でラグランジュ数学計算センターも設立した。同センターは開放的な方法で優秀な学者を研究に参加させている。同センターではフィールズ賞の受賞者3人が研究に参加し、若手の育成も行っているという。(翻訳・編集/如月隼人

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