人民網日本語版 2021年12月15日(水) 6時50分
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人々が関心を寄せる雇用、住宅、高齢者の暮らし、出産など民生の問題をめぐり、12月8日から10日にかけて中央経済政策会議は、一連の重要なシグナルを発信した。写真は北京。
「社会政策は民生という最低ラインをしっかり守り続ける」「経済発展と民生の保障を統一的に推進する」……。人々が関心を寄せる雇用、住宅、高齢者の暮らし、出産など民生の問題をめぐり、12月8日から10日にかけて北京で開催された中央経済政策会議は、一連の重要なシグナルを発信した。
■雇用優先:経済成長による雇用の牽引力向上
今回の会議では、「来年の経済活動は安定を一番に置き、安定を維持しながら前進する」「引き続き『六つの安定(雇用・金融・対外貿易・外資・投資・予想を安定させること)』と『六つの保障(雇用、基本民生 、マーケットエンティティ、食糧・エネルギーの安全、産業チェーン・サプライチェーンの安定、末端の運営を保障すること)』の取り組みをしっかり行う」ことが要求された。雇用の安定はタイトルが掲げていることだ。
同会議では、大学卒業生をはじめとする若者の雇用問題をしっかり解決し、フレキシブルワークの労働・雇用と社会保障政策を整備することが要求された。
マーケットエンティティは数億人の雇用・起業を支えている。会議では、新たな減税・費用削減政策の実施が強調された。
専門家によると、こうした動きはマーケットエンティティの強化にプラスであり、特に膨大な数の中小・零細企業への支援の強化にとってプラスであり、マーケットエンティティの信頼感を高め、各種の雇用形態が雇用で果たす役割を発揮するのを後押しすることになるという。
■住宅ニーズ:「住宅は投機の対象ではない」を堅持
会議では、住宅は住むためのものであって、投機のためのものではないとの位置づけを堅持し、予測の誘導を強化し、新たな発展モデルを模索し、賃貸と購入の双方を堅持し、長期賃貸市場の発展を加速させ、保障性住宅(政府補助のある低中所得者向け住宅)の建設を推進し、分譲住宅市場が購入者の住まいに対する合理的なニーズによりよく応えるよう支援し、都市ごとの状況を踏まえて政策を実施して不動産業の良好な循環と健全な発展を促進することが要求された。
中国社会科学院都市・競争力研究センターの倪鵬飛(ニー・ポンフェイ)センター長は、「『住宅は投機のためのものではない』との方針には投機の抑制が含まれるとともに、居住に対する支援が含まれている。この位置づけは不動産の長期的に安定した健全な発展の基礎を突き固める上でプラスになる。目下の情勢の中、こうした動きは市場の信頼感を高め、市場の予想を安定させる上で重要な意義を持つ」と述べた。
また倪氏は、「保障性住宅、長期賃貸住宅、分譲住宅の発展と利用を通じて、金融、都市、税金などの政策措置を整備することは、より質が高く、より多様な住まいを求める人々の合理的な住宅ニーズに応える上でプラスになる」との見方を示した。
■老後の保障:基本養老保険の全国統一を推進
人口高齢化に積極的に対応し、民生という最低ラインをしっかり守り続けることがとりわけ重要だ。会議では、基本養老保険(年金制度)の全国統一を推進することが要求された。
予測によると、第14次五カ年計画期間に、全国の高齢者人口は3億人を突破し、中国は高齢化社会の初期から中期へと足を踏み入れる。
今年6月、人的資源・社会保障部は「人的資源・社会保障事業発展の第14次五カ年計画」を発表し、第14次五カ年計画期間(2021-25年)中に、基本養老保険の加入率が95%に達するようにし、養老保険のカバー範囲が拡大を続けるよう補助サポートし、年金基金の規模が4兆元(約71兆円)を超えるようにすることを打ち出した。
中国人民大学公共管理学院の胡宏偉(フー・ホンウェイ)教授は、「養老保険の統一レベルを引き上げることは、この制度の健全な運営、労働力市場の一体化推進、地域の協調発展にとってプラスになる」との見方を示した。
■出産政策:新たな出産政策の実施と効果発揮を推進
会議では、新たな出産政策を実施してその効果の発揮を推進することが要求された。
今年7月、「中共中央、国務院の出産をめぐる政策を最適化して人口の長期的でバランスの取れた発展を促進することに関する決定」を発表し、夫婦1組につき3人の子どもの出産を認める政策と関連の支援措置を実施するとの重要な決定を下した。8月には、全国人民代表大会常務委員会が「中華人民共和国人口・計画出産法」の改定を可決。現在、中国の複数の地域で人口・計画出産に関する条例が相次いで改定されている。上海市は産休を30日から60日に延長し、青海省は男性に15日間の育児休暇を付与した……育児休暇の設定、産休の延長、補助金の支給などの措置に注目が集まる。
中国人民大学人口・発展研究センターの宋健(ソン・ジエン)副センター長は、「出産政策最適化の中核は、子どもを産み育てたいという各家庭の意欲を発揮させることにある。そのためには社会各方面が力を合わせて協力し、社会化されたサービスによる支援力を高め、家庭での出産・育児にかかる圧力を緩和し、人口の長期的でバランスの取れた発展を促進し、人口高齢化の圧力にしっかり対応する必要がある」と述べた。
■共同富裕:パイを「大きくおいしく」しなければならない上、きちんと切り分けることも必要
会議では、共同富裕の目標を実現するには、まず全国国民がともに奮闘することを通じてパイを「大きくおいしく」し、それから合理的な制度・計画によってパイをきちんと切り分けることが必要との見方が示された。分配の機能と役割を発揮させ、労働に応じた分配を主体としつつ、要素に応じた分配政策を整備し、税金、社会保障、移転支出などの調節を強化する。意欲と能力がある企業と社会層が公益目的の慈善事業に参加することを支援するとしている。
現在、貧困脱却の難関攻略が勝利を収め、小康社会(ややゆとりのある社会)が全面的に完成した上で、国民全体の共同富裕の促進がより重要な位置に置かれている。国務院発展研究センター社会発展研究部の馮文猛(フォン・ウェンモン)研究員は、「会議では分配の機能と役割を発揮することは、所得分配の合理性、社会の公平正義をよりよく促進する上でプラスになる、ということが強調された」と述べた。
また馮氏は、「慈善事業は第三次分配の主要な方法として、共同富裕の促進の中で積極的な役割を発揮している」との見方を示した。
■エネルギーの供給:供給保証と価格安定を着実に進め、グリーン・低炭素を提唱
会議では、エネルギーの供給を確保すること、大手企業が、わけても国有企業が先頭に立って供給保証と価格安定をはかる必要があるとの見方が示された。
会議では第一次製品の供給保証を正確に認識・把握することに関して、節約優先の方針を堅持し、全面的な節約戦略を実施する必要があるとの見方が示された。生産分野では、資源の全面的な節約、集約、リサイクルを推進する。消費分野では、国民全体の節約意識を高め、簡素でほどよく、グリーンで低炭素のライフスタイルを提唱するという。
年初以来、国際市場でエネルギー価格が大幅に上昇し、中国国内では電力と石炭の需給が逼迫した状態が続き、さまざまな要因により一部の地域で電力使用の制限が行われた。各級当局が有力な措置を取ってエネルギーの供給を保証し、とりわけ民生のエネルギー消費を保証したため、エネルギー需給の逼迫状況はやや緩和された。
国家発展改革委員会エネルギー研究所の韓文科(ハン・ウェンコー)シニア顧問は、「エネルギー供給を確保すること、特に民生のエネルギー消費を確保することは、経済の安定した運営に関わり、国民全体の生活に関わる重要事項だ。国有企業は中国の石炭・電力生産の中心であり、先頭に立って供給を保証し価格を安定させる必要がある」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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