湖南省メディアの瀟湘晨報によると、観光地で有名な甘粛省敦煌市内の鳴沙山月牙泉に、2020年5月から飼い主にはぐれたままの犬がいる。飼い主と様子が似た観光客が来ると喜んでついて回るという。一緒にいられなくなった飼い主のことをいつまでも慕う、まさに「敦煌版・忠犬ハチ公」だ。

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犬の名は小花（シャオホア）だ。現在は鳴沙山月牙泉地区で飲食店を経営する方さんが世話をしている。方さんによると、20年5月に観光目的で訪れた20代後半と思われる女性が連れて来た。しかしシャオホアははぐれてしまった。飼い主は２、３日をかけてシャオホアを探したが見つからず、泣きながら引き上げた。

シャオホアは飼い主が去って1週間後に再び現れた。野良犬の群れに混じっていたという。方さんは、シャオホアは野生では生きていけないと考え、一緒にいた野良犬と共に養うことにした。店の外に小屋を作り、食べ物を与えているという。

ただし、犬が戻ってくるのは夜だけで、昼は出ていく。シャオホアは男性観光客には関心を示さないが、飼い主と同じぐらいの年齢の女性観光客がくると、喜んで後をついて回る。観光客が帰っていくと、がっかりして立ち止まっているという。シャオホアは性格が穏やかで、意味なく吠えたりはしない。ただし、絶対に自分を抱かせようとはしない。

飼い主の女性は友人と共に方さんの店で食事をした。方さんによると、湖北省恩施市からやってきたと話していた。一行は自家用車を使って旅行していたようだったという。方さんは、当時は忙しくて考えが及ばなかったが、連絡先を聞いておけばよかったと思っている。

四川省成都市からきた女性客の劉さんが、動画などとともにシャオホアのことをSNSに投稿したことで、この話題が拡散しはじめた。劉さんが現地を訪れたのは12月12日で、観光シーズンではないため人影はまばらだった。自分にまとわりつく犬がいたが、最初は普通の野良犬だと思った。方さんの店で食事をした際に、事情を教えてもらったという。

劉さんは犬好きで、最近までよく似た毛色の犬を飼っていたが、死なれてしまった。そのため自分が引き取ろうとも考えたが、飛行機を利用してやって来たことを思い出し、飛行機にはシャオホアを乗せられないだろうと諦めた。そのかわりに、シャオホアのことを投稿して、湖北省にいる友人にも連絡して拡散してもらったという。（翻訳・編集/如月隼人）