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読書の神グッズがラーメンのふたに、電子書籍リーダーはどうなる?―中国メディア

人民網日本語版    2022年1月16日(日) 16時0分

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アマゾンの電子書籍リーダー「Kindle」の中国国内の公式直営店が深刻な品切れ状態に陥り、天猫のキンドル公式店はすでに閉店したという。

ネットユーザーがこのほど明らかにしたところによると、アマゾンの電子書籍リーダー「Kindle(キンドル)」の中国国内の公式直営店が深刻な品切れ状態に陥り、天猫(Tmall)のキンドル公式店はすでに閉店したという。一時、「キンドルは中国市場から撤退するかもしれない」との情報が流れて電子書籍愛好者の間に激震が走り、瞬く間に微博(ウェイボー)の人気検索ワードの上位に躍り出た。工人日報が伝えた。

多くの人にとって、キンドルは電子書籍リーダーの代名詞だ。2013年に中国市場に進出したが、今では異常といえるほど品切れの状態が続き、オンラインの直営ストアも閉鎖され、中国市場での人気はかつてほどではなくなった。これは中国国産の電子書籍リーダーの発展にとっての伏線でもあり、数社の強力な国内メーカーによる覇権争いの幕が今、開こうとしているところだ。

■キンドルは昔ほど人気がない

キンドルは13年に中国市場に正式に進出し、一時は売れ行きが非常に好調で、読書や学習の必需品とまで言われていた。16年末には、中国市場での売り上げが世界一になった。しかしそれから数年間、電子書籍市場は成長のボトルネックに直面することになった。電子書籍の価格が上昇して価格面の優位性が低下し、読書体験が良くなかった。同時に、スマートフォンでの読書が電子書籍市場を全面的に攻略し、ゲーム、ショート動画、オーディオブックのソフトウェアなどでのよりペースの速い視聴スタイルが読書層にも広がって、消費者がより便利で迅速な代替品を見つけたようだ。

キンドルは市場という大きな環境の変化がもたらす挑戦に直面するだけでなく、時代の流れに取り残されたその製品設計もこれまでずっと多くのユーザーから、システムが閉鎖的すぎる、リニューアル頻度が低い、フォーマットが単一的、伝送が困難、リソースが不十分などと「ツッコミ」を入れられてきた。また、中国国内の漢王科技、翰林、掌閲などの製品が登場して、キンドルの市場シェアを多く奪うことになった。

中国内外の影響により、キンドルは国内市場での人気が徐々に低下していった。中古取引きプラットフォームでのキンドル取引量は高止まりし、消費者から「カップラーメンのふた」にしたなどと言われる状況だ。

国産メーカーも常にキンドルに挑戦しようと努力し、さまざまな試みを打ち出している。

1000元(約1万8000円)を切る普及モデルから、5000元(約9万円)前後のハイスペックモデルまで、国産リーダーが次々登場し、ハードウェア環境はすでにキンドルと大差ない。さらに一部の国産ブランドが販売する機能がより充実したリーダーは、電子書籍だけでなく、オフィス用ソフトウェアなどさまざまな機能も兼ね備える。キンドルの優位性はこうして少しずつ失われている。

■コンテンツとブランドで「補習」が必要

調査研究コンサルティング機関の智研諮詢の予測では、20年の中国電子書籍リーダー出荷量237万台を踏まえると、23年は275万台に達することが予想されるという。

業界関係者は、「他の電子製品に比べ、電子書籍リーダーは普及率が低いが、軽視できないもので、これを利用する人はディープな読書好きが多く、『デジタル読書』の営業収益の部分を非常に大きく促進する役割を果たしているからだ」と述べた。

これは掌閲や京東などのネット大手が電子書籍リーダーの競争に乗り出す原因でもある。「2020年度中国デジタル読書報告」によると、20年の中国デジタル読書利用者の規模は前年比5.56%増の4億9400万人に上り、デジタル読書産業の市場規模は全体で351億6000万元(約6328億8000万円)に達し、増加率は21.8%だった。

こうしたネット大手にとって、電子書籍は新たなアクセスの入り口のようなもので、読者を囲い込み、読者はそれ以降、関連のプラットフォームを通じた読書習慣や消費習慣を身につけることになり、コンテンツ生態圏に極めて高い顧客ロイヤルティーをもたらすことになる。これはネット大手がぜひとも手に入れたいと願うものだ。

しかし、国産ブランドが抜きん出るのは容易なことではない。市場の規模が小さく、利益が少ないことから、ブランドの推進・拡大や研究開発の原動力が不足し、国産ブランドを支援して持続的な投資を進めることが難しい状況だ。同時に、川上のハードウェアの開発とバージョンアップのペースが遅く、これに電子書籍リーダー製品が耐久消費財であり、買い換え頻度が低いことも加わって、市場の発展を制約している。

このほか、国産ブランドにはキンドルだけではなく、スマホという競争相手もある。スマホはキンドルよりさらに携帯しやすく、読書類スマホアプリが電子書籍のリソースや無限読書カードなどを次々に送り込んで、電子書籍リーダーの利用者を自分たちの陣地に取り込もうとしている。

業界関係者は、「中国国産ブランドはコンテンツとブランドの構築で『補習授業』を受ける必要がある。コンテンツがなければ、顧客のロイヤルティーを絶えず高めることは出来ない。ブランド力があってこそ、ユーザーの支持を得られ、末端のルートをめぐって価格交渉権を持てるようになる」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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