中国の出生数、建国以来の最低に…「出産への安心感を高める」など提言も漂う手詰まり感

Record China    2022年1月24日(月) 9時10分

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中国の2021年の出生数が1949年の建国以来、最少となったとみられる。中国メディアは専門家の「出産への安心感を高める」などの提言を紹介したが、決め手には欠け、手詰まり感も漂っている。

中国の2021年の出生数が前年比138万人減の1062万人となった。5年連続の減少で出生数は1949年の建国以来、最少となったとみられる。中国メディアは専門家の「結婚と出産を望まない傾向を変える」「出産への安心感を高める」などの提言を紹介したが、決め手には欠け、手詰まり感も漂っている。

中国国家統計局によると、21年の総人口は前年比微増の14億1260万人。中国で最も出生数が少なかったのは1961年の1187万人で、故毛沢東主席が58年に発動した「大躍進」政策後、3年間にわたる大飢饉で餓死者が相次いだ。

その後、毎年2千万~3千万人が生まれるベビーブームが続いたが、79年から人口増加を抑制するため「一人っ子政策」を導入した。「一人っ子政策」を2015年末で廃止。21年には第3子の出産も解禁したが、出生数の回復にはつながっていない。

中国網によると、国務院発展研究センター社会発展研究部の研究室主任の馮文猛氏は、21年の出生数減少は主に以下の四つの要因によるものだと分析した。

長期的に見て一つ目は教育年数の増加と就業率の上昇、都市化の推進、社会サービスの発展などの変化に伴い、家庭、婚姻、出産などに対する概念が深く変化し、出産意欲と出生率がここ数年低下している。二つ目は出産適齢女性の数が減少し、出生数も自然と減少した。21年、15~49歳の出産適齢女性の数は前年比で約500万人減少した。

短期的に見ると、一つ目は診察が不便なことを考慮し、新型コロナウイルス感染症の流行で出産を控える傾向が強まった。二つ目は経済の低下圧力が大きい中、一部の人の経済状況が変化し、出産意思への影響、出産計画の先送りにつながった。

馮文猛氏は狙いを定めた措置を打ち出す必要性を強調。「出生数減少傾向を緩和し、多方面が努力し、概念の提唱や政策支援を通し、結婚と出産を望まない傾向を変え、若者の結婚と出産を促し、婚姻と出産の友好型社会を形成する必要がある」との見解を示した。

さらに「新型コロナ流行の出産への影響をなくす必要もある」と指摘。「各地は妊娠前後の検査などの診察ニーズに対し、より便利で良好なサービスを提供し、安全で便利なサービスに努め、不安を取り除き、若者の新型コロナ流行による出産先送りをなくす必要がある」と述べた。

経済政策の面では「中小企業への支援を強化し、活力を引き出し、雇用機会を増やし、多くの就業者を受け入れ、住民の所得状況を改善すると同時に、就職困難者に対する社会政策支援、社会保障と社会補助を強化し、出産への安心感を高める必要がある」とも訴えた。(編集/日向)

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