2022年1月22日、環球時報は、1日の新型コロナ新規感染者数が42万人に達しているにもかかわらず、フランスで市民の行動制限を解除する動きが出ていると報じた。

記事は、フランスのカステックス首相とベラン保健相が20日に記者会見を開き、新型コロナ感染予防を目的とした行動制限を段階的に緩和するスケジュールを発表したと紹介。2月2日からは、リモートワークを引き続き推奨する一方で少なくとも週3日のリモートワーク実施強制を取りやめ、屋外でのマスク装着も強制しないほか、劇場やスポーツ施設などでの観客人数制限を撤廃し、同16日以降はナイトクラブの営業、バーのカウンターサービス、スポーツ施設、映画館、公共交通機関での飲食が再開されると伝えた。

その上で、同国衛生当局のデータとして今月20日の新規感染者数が42万5183人と3日連続で42万人を超えたと紹介する一方で、カステックス首相が20日に国内の多くの地域で感染拡大が止まり始めているとし「感染の波はまだ収束していないが、状況が良い方向に進み始めていることは確信をもって言える」とコメントしたことを報じた。

また、カステックス首相のコメントはすぐに同国内で議論を呼び、感染症の専門家からは「重症患者数はいくらか減少しているが、規制解除にあたっては慎重でなければならない」との意見が出ているほか、野党議員からも「非常に政治的な声明だ」との指摘が見られたとする一方で、市民からは規制緩和を歓迎する声も聞かれると伝えた。

記事は、フランスの他に英国でもジョンソン首相が19日、27日よりマスクの装着義務化、「ワクチンパスポート」を含む大部分のコロナ関連規制、在宅ワーク推奨を段階的に撤廃することを発表したと紹介。英国メディアからは「国民にとって、感染予防の規制措置は生理的、心理的に我慢の限界に近づいており、政治的な危機にあるジョンソン首相はこのタイミングで規制緩和を打ち出したことで、ある程度人心を取り戻すことができるだろう」との見方が出ているとした。（翻訳・編集/川尻）