人民元が日本円を抜き世界で4番目の通貨に、何を意味するか?―中国メディア

人民網日本語版    2022年1月26日(水) 5時50分

拡大

国際銀行間通信協会がまとめたデータによると、昨年12月に、国際決済通貨における人民元のシェアが2.7%に上昇し、15年8月以降で初めて日本円を抜いて、世界で4番目の通貨になったという。写真は北京。

国際銀行間通信協会(SWIFT)がまとめたデータによると、2021年12月に、国際決済通貨における人民元のシェアが2.7%に上昇し、15年8月以降で初めて日本円(2.58%)を抜いて、世界で4番目の通貨になったという。その原因は何か。これは何を意味するか。中国新聞網が伝えた。

中国外貨投資研究院の譚雅玲院長は次のような見方を示した。

第一に、新型コロナウイルス感染症の打撃と反グローバリゼーションの圧力に直面する中で、中国の経済情勢は安定して回復に向かい、経済成長と対外貿易情勢は相対的に好調で、特に2021年の中国の経済規模は114兆元(1元は約18.0円)を突破し、対外貿易の成長率は20%以上になり、対外貿易は好調に発展し、こうしたことが人民元の決済通貨としての利用の順位上昇の重要な要因だったことを物語っている。

第二に、中国がここ数年に「一帯一路」(the Belt and Road)で重要な進展を遂げ、「一帯一路」沿線国が人民元による決済の重要なプラットォームになり、人民元建て決済の可能性を広げる上でプラスになったことを物語っている。

第三に、人民元の国際決済に占めるシェアが4位になったことは、中国自身の努力および人民元の信頼性や信用度の高さと関連がある。このほか、主要な先進国の通貨は不安定性が相対的に高まり、人民元の上昇に伴って、より多くの国が人民元建て決済を受け入れることを望むようになったことを物語っている。

一方、日本円の状況を見ると、円は国際通貨システムの中で下降線をたどっている中で、ここ2年間の日本経済があまり好調でなく、さらに日本の感染状況が相対的に深刻であることが円の流通性と利用率を制限することになった。円は下降サイクルにあり、人民元は上昇サイクルにあり、一方が伸びれば一方が縮むという状況で、人民元の順位が円を上回った。

人民元は正貨ではあるが、自由に交換できる通貨ではない。自由に交換できない前提ながら、SDR(特別引出権)バスケットを構成する通貨の1つに選ばれ、さらに国際決済や外貨準備に占める割合も上昇し、人民元の信頼性が世界に認められたことを物語っている。

しかし私たちは、人民元のシェアは2%余りであって、上位にある通貨との開きがまだ非常に大きいということを冷静に認識しなければならない。そのため、市場は感情的になることを避け、基本的な常識と基本的なロジックに回帰する必要がある。

中国経済はこれまでに好調な発展を遂げたが、周期的で構造的なリスクの圧力にも直面しているため、私たちはやはり理性的に考えて、自国の通貨の位置づけを正確に判断しなければならない。人民元が最終的に自由な交換が可能な国際的な通貨になるには、責任の重い遠い道のりとなるだろう。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携