旧暦の新年を祝うのは中国人や華人だけではないが、中国の「春節」は特に規模が大きく、各国のメディアでも毎年その動向が大きく取り上げられる。香港01の記事は、この旧暦の新年について「英語で“Chinese New Year”(中国の新年)と訳すか、それとも“Lunar New Year”(陰暦の新年)と訳すかが、ますます争点となっている」と伝えた。
韓国では近年、市民団体・VANKが「旧暦の新年を祝うのは中国だけではない」として“Chinese New Year”ではなく“Lunar New Year”と呼ぶべきだとの宣伝を積極的に行っている。国連は今年も旧暦の新年を祝う記念切手に“Chinese Lunar Calenda”と表記しているが、VANKはこれに対しても文書を送付して抗議した。
記事によると、2018年にインドネシアのジョコ大統領がインドネシア語で「旧暦の新年」を祝った言葉が、中国国営の新華社の英語版では“China's New Year”と訳された。また、中国の有名モデルがSNSで“Happy Lunar New Year”とつづったところ、中国のネットユーザーからバッシングに遭い、謝罪・訂正に追い込まれた。
中国系インドネシア人学者のLeo Suryadinata氏は、「旧暦の新年は中国では春節と呼ばれ、これまではナショナリズムの意味はなかった」と説明。しかし「近年、中国でナショナリズムが強調される中で、一部の人は“Chinese New Year”(中国の新年)と呼ぶべきだと思っている。ひいては、中国の台頭に中国人はもっと自信を持つべきだと考え、“Chinese New Year”を使わないことは中国を否定する『中国への侮辱行為』だとまで考えている」とした。
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