北京冬季オリンピックのスノーボード男子スロープスタイルで銀メダルを獲得し、同種目で中国初の五輪メダリストとなった蘇翊鳴（スー・イーミン）選手を称え、国営テレビが7日、過去に出演した映画を急きょ放送して注目を浴びた。

17歳の蘇翊鳴選手は6日、予選を1位で通過し、7日の決勝では88．70点を出して銀メダルを獲得。過去に子役としてドラマや映画に出演し、さらに昨年のスノーボード・ワールドカップではビッグエア種目で中国人選手として初優勝しているため、その話題性で開幕前から注目を浴びてきたが、一躍時の人となっている。

中国の国営テレビ・中央電視台（CCTV）では7日午後、蘇翊鳴選手の子役デビュー作となった2014年の映画「タイガー・マウンテン～雪原の死闘～」を急きょ放送し、銀メダル獲得を祝福。慌ただしく番組表に加わったこの映画だが、「臨機応変な対応」「視聴者のニーズを分かっている」など、SNSでは称賛のコメントが寄せられている。

4歳からスキーを始めた蘇翊鳴選手が「タイガー・マウンテン～雪原の死闘～」に起用されたのは、スキーの技量を買われたもの。当時8歳で年齢的にも役柄に合い、カメラテストではスキーの滑走スピードが、メガホンを執ったツイ・ハーク（徐克）監督らを驚かせたという。なお、時間が不規則な映画の撮影では、たびたび発熱するなど体調不良が続いたといい、心配した両親は出演辞退も考えたが、まだ幼かった本人が「人との約束は守らないと駄目」と語り、最後まで頑張り抜いたことを蘇翊鳴選手の父親が語っている。

子役としてその後も、映画「摇滚小子」やドラマ「生逢燦爛的日子」「狼殿下-Fate of Love-」などに出演。「狼殿下」に主演した俳優ダレン・ワン（王大陸）も今回の快挙に中国版ツイッター・微博（ウェイボー）で、「本当にすごい」「僕にもスノボを教えて」と祝福のメッセージを投稿している。（Mathilda）