Record China 2022年2月13日(日) 10時20分
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フランス国営メディアのRFIによると、多くの中国人がフィギュアスケート男子の羽生結弦選手を「熱く応援」し続けていることについて、フランスメディアは強い関心を示した。
フランス国営メディアのRFIによると、政府間関係でも国民感情でも「冷たい日中関係」が続いている中で、多くの中国人がフィギュアスケート男子の羽生結弦選手を「熱く応援」し続けていることについて、フランスメディアは強い関心を示している。
日中両国で2019年に行われたある世論調査では、日本人回答者の84%が中国に悪感情を持っていた。また、中国人回答者の62%が日本に悪感情を持っていた。しかし中国人ファンは、羽生結弦選手を「熱烈応援」し続けてきた。羽生選手を支持したのは一般のファンだけでない。中国中央電視台(中国中央テレビ)のベテランスポーツキャスターである陳●氏(●はさんずいに「瑩」)は興奮した様子で、「絶頂期の羽生選手を見て、報道することができて幸せだ」「羽生選手の青春は永遠ではないが、彼は永遠に人々の記憶の中に残る」と述べた。
羽生選手が6日に北京入りした際には、多くの中国メディアが「トップニュース」の扱いで報じた。そのような状況を受け、日中関係が「冬の時代」であるのに、中国で羽生選手が絶大な支持を獲得したことを、いぶかしく思う人も出た。そこで日中のメディアは、その理由を分析しはじめた。
重要な転機として、17年の世界フィギュアスケート選手権の「国旗事件」を指摘する報道もあった。同大会の男子シングルでは羽生結弦選手が優勝し、2位は宇野昌磨選手、3位は中国の金博洋選手だった。ところが金選手はウイニングスケーティングの際に、中国国旗を左右逆に示してしまった。それに気づいた羽生選手は金選手にすぐに滑り寄って間違いを伝え、国旗を持ち換える手伝いもした。その画像がネットで拡散し、羽生選手のファンが大幅に増えることになったという。
また中国では、いわゆる「愛国ドラマ」などにより日本人兵などの姿が、デフォルメされて表現されることも珍しくない。暴虐な日本兵が中国人を残虐に殺したり、物を奪ったり放火するシーンがしばしば放映される。氷上を舞う羽生結弦選手の姿が、そのような日本兵と「真逆」であることも、中国における人気に関係しているのではないかとの見方もある。
羽生選手は北京冬季五輪では結局、本人が目標としてきた4回転半ジャンプを成功させることができず、また転倒を繰り返すなどで4位にとどまった。14年のソチ大会、18年の平昌大会と続いてきた五輪での金メダル獲得は途切れることになった。
羽生選手は今大会で失敗したにもかかわらず、中国人ファンは大絶賛を続けている。一方で、優勝した中国系米国人のネイサン・チェン選手に対する中国人の態度は冷ややかで、同選手を見下すような書き込みもある。チェン選手は21年10月に中国の人権問題に関連する表明をしたことで、愛国的雰囲気が高まっている中国の民衆の不興を買い、米中の「貿易戦争」も米国人選手であるチェン選手に対する反発について「火に油を注ぐ」ことにつながったとされる。
日本人選手である羽生結弦選手が、「日本と中国が親和的になる」方向で作用を発揮しており、中国人の血を引くチェン選手の場合、そうはなっていない。フランスメディアをはじめとして、西側メディアはそのことに驚きを示している。(翻訳・編集/如月隼人)
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