Record China 2022年2月23日(水) 9時20分
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中国メディアの観察者網は19日、「政冷楽熱?冬季五輪期間に日本の対中世論はなぜこれほど分裂したのか」と題する潘妮妮・華東師範大学副教授の文章を掲載した。写真は北京冬季五輪の閉会式。
中国メディアの観察者網は19日、「政冷楽熱?冬季五輪期間に日本の対中世論はなぜこれほど分裂したのか」と題する潘妮妮(ファン・ニーニー)華東師範大学副教授の文章を掲載した。以下はその概要。
北京冬季五輪の開会式は日本のツイッターで高い注目を集め、一つひとつのツイートを確認することはできないが、ざっと見たところ賛美する文字の方が多かったようだ。一方、日本の主要メディアは「政治誘導」的なテーマを投げ掛け、こうした報道に付くのも似たような色彩のコメントだ。これにも日本の民間の対中感情の分裂が表れている。
一方には、われわれがよく知っている「日本の中国に対するマイナス感情の絶え間ない高まり」がある。だが、もう一方で中国と日本の経済貿易関係は依然緊密であり、日本の人気スターは中国語のインターネットプラットフォームに次々加わっている。中国のゲームや化粧品、さらには面白い動画も日本で注目を集め、SNS上ではネガティブなニュースと対等に振る舞っている。
冬季五輪期間の日本の対中世論も同じで、一方では悪意に満ちた「政治的ニュース」が、もう一方では宇宙服を着たパンダ(大会マスコットの「ビンドゥンドゥン」)が登場した。中日関係を形容する「政冷経熱」の概念を思い起こさずにはいられないが、今日の中日関係は「政冷楽熱」とも呼べるのではないか。簡単に言うと政治的には極度に冷え込んでいるものの、娯楽あるいは楽しみを見つけることにおいて両国のネットユーザーには一致性が見られるということだ。
もちろん、日本の娯楽文化は勢いがすごいが、「楽熱」は日本文化の中国に向けた一方的な送り出しを指すものではない。例えば、中国のゲーム会社の「昭和米国物語」の予告映像は日本のSNSで注目を集め、温かなコメントが多く寄せられた。そして、従来の「文化の送り出し」より「楽熱」が複雑な理由は、作者(送り出す側)と読者(受け取る側)の関係があいまいになったことにあると考える。
これまで外交における「娯楽文化」と言えば、われわれが最初に思いつくのはコカ・コーラやミッキーマウス、ロックンロールが大部分だろう。これらの共通点は強いカリスマ性で、日本の娯楽文化もかつては強烈なカリスマ性を持っていた。例えば、アニメ・漫画文化は20世紀、「巨匠」と呼ばれた作者が少なくなく、彼らは惜しげもなく自身の政治や社会的態度を表現した。しかし、インターネットの発展に伴いアニメ・漫画文化は共有性という方向に向かって進み、以前より作者の「ストーリーを語る」役割は低下している。「作者」と「読者」の関係は対等になり始め、読者は作品の創作や宣伝に直接参加する。
クリエーターは読者に対する絶対的統治を失い、海外と国内の読者も対等になった。これはアニメ・漫画だけにとどまらず、スポーツや芸能人でも同じだ。例えば冬季五輪では日本のスター選手が中日両国のファンの支持を同時に集め、中国の一部ファンの情熱は日本のファンの尊敬の対象にすらなった。
「これは日本の娯楽文化が中国の若者に影響を与えているということではないか」と言われるかもしれないが、そうともそうでないとも言える。日本の娯楽文化そのものは実はもともとさほど「日本」らしくなく、戦後のアニメ・漫画界の巨匠らは中国を含む海外アニメの影響を受けていて、各国の文化要素も広く採用した。
日本の娯楽文化が「非日本的」なのは「交流」の広がりに役立つ。中国の一部化粧品ブランドはパッケージが洗練されており、質が高くて値段が安いため日本の若い女性に歓迎されている。洗練されたパッケージ作りは日本の化粧品のビジネスモデルに学んだと言えるが、そこに日本の製品にはない中国式の美的要素を含んでいるため支持を得ているのだ。
日本の娯楽文化の始まりは早く、生産と拡散の「モデル」を先に作ったが、文化のカリスマ性が低下し、共有性が増すに連れ、中国の創作能力とネット拡散力は高まり、この「モデル」に新たな活力を注入した。このような相互のけん引関係の中で両国ネットユーザーの間のやり取りは自然と活発になるだろう。「経熱」に比べ「楽熱」は一般人により簡単に感じられるようで、それが中日関係にどのような影響を与えるのか、引き続き検討する価値がある。(翻訳・編集/野谷)
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