Record China 2022年2月26日(土) 12時20分
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24日、中国経済週刊は「羽生結弦と、彼がすべてを賭けて挑んだクワッドアクセル」と題した文章を掲載した。
2022年2月24日、中国メディアの中国経済週刊は「羽生結弦と、彼がすべてを賭けて挑んだクワッドアクセル」と題した文章を掲載した。以下はその概要。
前向きで滑走して踏み切り、空中で4回転半して着氷するクワッドアクセルの難しさについて、マラソンで言えば「サブ2」達成、100メートル走で言えば9秒58の世界記録更新だという人がいる。まだ、正式な試合の中でクワッドアクセルを成功した選手はおらず、昨年12月23日の日本選手権前の公開練習で羽生結弦が一度成功しただけだ。これまで理論上にとどまっていた超高難度の技を現実に持ち込んだ羽生はフィギュアスケート界の新たな歴史を切り開いた。そして、北京冬季五輪ではクワッドアクセルの成功を目標に据えたのである。
小さい頃から喘息に打ち勝つべく人一倍の練習を重ねてきた羽生は、特にクワッドアクセルの成功に向けて一層厳しいトレーニングを自らに課した。試合前日も変わらずクワッドアクセルの練習を行った。以前本人が「頭打って脳震とうで死ぬんじゃないかって思いながら練習していた」と語っていたように、まさに命懸けでクワッドアクセルに挑んでいたのだ。
非常に難しい技術が要求され、ケガのリスクもあるクワッドアクセルだが、仮に完璧に成功させたとしても基礎点は4回転ルッツと1点しか差がない。つまりは、割に合わない。それゆえ、この技に挑戦する者はほとんどいないのである。
誰もやろうとしない大技に挑み続けた羽生だったが、北京冬季五輪では結局完璧なクワッドアクセルは跳べず、表彰台にも立てなかった。これが熱血漫画の設定であれば、表彰台に立てなかったとしても悲願だったジャンプを完成させて終わることだろう。理想と現実とのギャップを多くの人が残念がっているかもしれない。しかし羽生はすでに伝説を作り上げた。
オリンポス山の聖火が燃えているのは、誰かが誰かを打ち負かすためではなく、諸神に人類の不屈の精神を見せるため―。羽生結弦は中国の作家・史鉄生(シー・ティエ・ション)氏の言葉を完璧なまでに体現した。彼のクワッドアクセルへの執念は全くもって試合の勝ち負けを超越した自らの限界に対する挑戦だった。そしてこれこそ、五輪精神の真髄なのかもしれない。(翻訳・編集/川尻)
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