先ごろ閉幕した北京冬季五輪の興奮が冷めやらぬ中、国際オリンピック委員会（IOC）の中国版ツイッター・微博（ウェイボー）公式アカウントが26日、フィギュアスケート男子シングルの羽生結弦のフリーの演技の映像を投稿、ネットユーザーから反響が寄せられている。

IOCの微博アカウントは、今月10日に行われた羽生のフリー「天と地と」の映像をノーカットで投稿。惜しくも転倒したものの国際スケート連盟（ISU）公認大会で初めて認定された冒頭の4回転アクセル（4A）、最高難度のレベル4を獲得したステップやスピン、演技後半の4回転トゥループ－3回転トゥループや4回転トゥループ－シングルオイラー－3回転サルコウの連続ジャンプ、そして完成度の高いトリプルアクセルなど、羽生のすべてが詰まった演技構成だ。

この演技で羽生は188．06点を獲得。ショートプログラム（95．15点）との合計283．21点で4位に入った。

羽生の演技のプレイバックに中国のファンからは、「ああ、4A（の転倒）を見る勇気がないよ」「（転倒が痛々しくて）心臓がもたないよ」「2度見る勇気はない」「もう一度見たら涙があふれちゃう」「見るたびに針を飲み込むような気持ちになる」といった声が多く寄せられる一方、「胸が締め付けられるけど、心を揺さぶられる美しさを感じる」「これが彼の世界」「これこそ羽生結弦にしかできないスケートだよ」との声も。

また、「『天と地と』は間違いなく、羽生くんの技術と心の最も成熟した表現」「このプログラムには羽生結弦の美学と理念が詰まっていると思う」との声や、「この試合はよく見ておくべき。彼はこれが彼の表現したかった世界観を表していると言っていた。2度転倒したけど、それもストーリーの一部。倒れても再び起き上がり立ち向かう。どんな経験をしようと志を貫く。もし『春よ、来い』や4Aだけを称賛して、彼がこのオリンピックに持ってきたプログラムへの思いを覆い隠すのなら、それはもったいないこと」「転倒した4Aと4回転サルコウも物語の一部。『天と地と』は羽生くん自身の世界観を表現していて、彼のキャリアの集大成とも言える。これまでの演技と比べても悲壮感が漂っている。羽生結弦との出会いを大切にしてほしい」といった声も寄せられ多くのユーザーの共感を得ている。（翻訳・編集/北田）