Record China 2022年3月5日(土) 15時30分
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ウクライナに侵攻したロシアに対して西側諸国が制裁を強める中、海外メディアは中国、インド、ブラジルなどで「脱ドル」を模索する動きが強まり、人民元には「追い風か」と伝えた。
ウクライナに侵攻したロシアに対して西側諸国が制裁を強める中、ロシアと友好関係にある中国、インド、ブラジルなどはロシアと貿易・金融取引を続けるための迂回(うかい)ルートを探っている。ロイター通信は「脱ドル」を模索する動きが強まり、人民元には「追い風か」と伝えた。
ロシアのウクライナ侵攻を受け、米欧はロシアの大手銀行をSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除したのに加え、ロシアの約6400億ドル(約73兆6000億円)に上る外貨準備の使用を制限する措置を発表した。
ロイター通信によると、中国、インド、ブラジルの3カ国がロシアとの経済関係維持に前向きな姿勢を示し、ウクライナ危機をめぐって世界的に深い亀裂が走っていることを印象付けた。その結果、国際貿易におけるドルの支配的地位が浸食される恐れもある。
中国の企業と銀行は今、制裁による中露関係への影響を抑えるために奔走しており、ドルに代わって人民元での決済が増えている。ロシアを国際金融システムから締め出すことを狙った西側の制裁により、中露の商業的な結びつきが深まる可能性もある。
制裁を機にロシアと中国の企業の間では、ロシアに子会社を持つ中国の銀行に口座を開く動きが広がっている。モスクワで活動する中国企業の代表者は、この動きについて「SWIFTが唯一の決済システムというわけではない。このルートが遮断されれば、経済人は代替手段を探す必要がある」と説明した。
インドではロシアからの肥料供給が途絶えるとの懸念が台頭。政府と銀行の関係者らによると、インドの国営銀行にロシアの銀行・企業のルピー口座を開設させ、貿易決済に使う計画がある。ブラジルのボルソナロ大統領は、ウクライナ問題に関してブラジルは中立の立場を取ると述べた。
ロイター通信は「輸出業者は今、(ロシアとの)決済通貨に人民元を好んで使うようになった」との中国国営銀行関係者の話を紹介。別の中国国営銀行の関係者は「西側の制裁の詳細がまだ明らかではないため、状況を注視するとともに、顧客にはロシアとの貿易決済に人民元を使うよう勧めている」と語った。
昨年上半期の時点で、既に中国の対ロシア輸出の28%が人民元で決済されていた。両国はドルへの依存を減らす取り組みを強化し、それぞれ独自の国際決済制度の開発を進めてきた。ファウンダー・セキュリティーズのダン・コンユー氏は「SWIFTからロシアの銀行を排除する制裁は脱ドル化を加速させる一里塚になる」と指摘。「短期間でSWIFTに取って代わるのは難しいが、今回の出来事は長期的に人民元の国際化にとって大きな追い風になる」との見方を示した。(編集/日向)
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