亜洲週刊 2022年3月6日(日) 7時20分
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香港メディアの亜洲週刊はこのほど、ロシア軍のウクライナ侵攻を受けての西側各国の動きを紹介し、日本の政界については特に「一つの断念」と「一つの警戒」を分析する毛峰東京支局長の署名入り記事を発表した。
香港メディアの亜洲週刊はこのほど、ロシア軍のウクライナ侵攻を受けての西側各国の動きを紹介し、日本については特に「一つの断念」と「一つの警戒」を分析する毛峰東京支局長の署名入り記事を発表した。本稿の以下の部分は、日本についての分析部分を中心にまとめたものだ。
日本の歴代内閣はプーチン政権が発足してから20年近く、プーチン氏に好意を示し続けてきた。特に安倍晋三元首相の場合、プーチン氏が好む秋田犬をプレゼントすることまでした。安倍首相は会談の際の握手ではプーチン氏の手を強く握って十数回も揺するなどした。元外務省高官によると、これらは全て、北方領土返還についてプーチン氏から譲歩を引き出すことが目的だった。
しかしロシアが対ウクライナ軍事行動に出たことで、日本は北方領土絡みでプーチン氏に抱いていた期待を、徹底して「断念」することになった。ロシアに対する融和策は、欧米と連携してプーチン氏の「帝国の夢」を徹底して打ち砕く方針に転換することになる。
岸田首相は5年間にわたる外相経験があり、プーチン大統領から北方領土を取り戻すことが「お門違い」であることを熟知している。だから米国はEU(欧州連合)との連携を強め、「プーチン皇帝」に全面的に制裁を科す。日本人の6割以上も、岸田首相の対ロ制裁の強化に賛成している。
日本の「警戒」とは尖閣諸島と台湾関連だ。岸田首相は2月25日の記者会見で、「対ロシア制裁は、武力による現状変更を許さないという日本の意思を示している」と強調した。森本敏・元防衛相は、「現在はそうではないが今後は、中国がロシアの武力攻撃に倣って、台湾に侵攻する危険性が絶えず高まる。日本は関心を高め準備を強化せねばならない」と述べた。
防衛大学の黒崎将広准教授は、「日本の与那国島は台湾に近く、台湾海峡有事は日本に必ず影響を及ぼす。日本は中国に対して日中共同宣言の第3項の法定意味を明確にし、有事が日本に関係する事態について明確にせねばならない」と述べた。
日本の田中角栄首相と大平正芳外相、中国の周恩来首相と姫鵬飛外相がそれぞれ1972年9月29日に署名した「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」(日中共同声明)の第3項には、「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する。日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」と、両国の台湾に対する見解の微妙な差が記されている。(翻訳・編集/如月隼人)
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