人民網日本語版 2022年3月12日(土) 0時20分
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華東師範大学の科学研究チームの最新の研究により、人間のベージュ脂肪が局部の温熱療法により熱産出を活性化させ、肥満症を大幅に軽減するとともに代謝の乱れを改善できることが発見された。資料写真。
華東師範大学の科学研究チームの最新の研究により、人間のベージュ脂肪(Beige fat)が局部の温熱療法により熱産出を活性化させ、肥満症を大幅に軽減するとともに代謝の乱れを改善できることが発見された。この成果はこのほど、世界トップクラスの学術誌「セル」の表紙を飾る巻頭記事に取り上げられた。文匯報が伝えた。
同研究チームの馬欣然氏によると、脂肪はいくつかの種類に分かれる。人やマウスを含む哺乳類には、白色、褐色、ベージュという3つの異なる機能を持つ脂肪がある。白色脂肪は余ったエネルギーを保存し、褐色脂肪はエネルギーをカロリーに変換する。それに対し、ベージュ脂肪は新たに発見された脂肪で、休眠中は白色脂肪の特質を示す。寒冷またはβアドレナリンの活性化などにより、褐色化のポテンシャルが備わり、熱産出とエネルギー消費を促進する。しかしこれらの方法は体内での作用が限定的で、そして潜在的な副作用による健康への危害が懸念されている。
それでは、いかにすればより安全かつ効果的な方法によりベージュ脂肪を活性化させ、肥満対策を行えばいいだろうか。同チームは、寒冷の刺激のほか、ベージュ脂肪が熱ショック因子1(HSF-1)により局部の穏やかな熱量効果に反応するとともに熱産出を活性化させることを発見した。これは肥満に安全かつ効果的に対抗し、それを治療できる上、インスリン抵抗性や肝臓の脂質蓄積などの代謝の乱れを改善できる。
同研究チームはさらに、長期的な局部の穏やかな温熱療法により、中枢・交感神経系と免疫系に影響を及ぼさない状況下で、HSF-1に依存する手段で肥満に対抗し、それを治療でき、インスリン敏感性と肝臓の脂質蓄積を改善でき、そして明らかな副作用を生じないことを証明した。これは局部温熱療法が安全なダイエット方法であることを物語っている。この療法は肥満に対抗し、それを防止でき、また重度肥満のマウスにも治療の役割も果たせる。
中国工程院院士で、瑞金病院院長の寧光(ニン・グアン)氏は、「この研究では、局部温熱療法によりベージュ脂肪のHSF-1シグナル経路を正確に活性化し、熱産出を促進できる上、交感神経系もしくは免疫系に影響を及ぼさないことが分かった。これはこの方法のダイエットにおける利便性、安全性、有効性を示し、将来的に肥満治療の新たなターゲットになる可能性があり、また関連するウェアラブルデバイスが開発され、代謝関連の慢性疾患を防ぐ新たなライフスタイルが構築される可能性もある」と評価した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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