中国メディアの観察者網は10日、韓国大統領選で勝利した最大野党「国民の力」の尹錫悦（ユン・ソクヨル）氏について、李明博（イ・ミョンバク）元大統領や朴槿恵（パク・クネ）前大統領の捜査で指揮を執った尹氏はどんな人物かとの記事を掲載した。

5月に大統領に就任する尹氏は政治経験を持っておらず、記事は「現在、61歳の尹氏は1988年にソウル大学大学院法学科を卒業し、ソウル中央地方検察庁のトップや検事総長を歴任。検察組織での職歴は二十数年にわたる」「一方、『政治素人』として論争的な発言が批判されることが多い」などと言及。そして、いずれも収監された李氏や朴氏の事件捜査で指揮を執ったことを伝え、2019年7月、文在寅（ムン・ジェイン）現大統領から検事総長に大抜てきされるも司法改革をめぐって対立し、昨年3月に検事総長の職を辞して同年6月29日に大統領選出馬を宣言したと説明した。

また、外交をめぐっては「尹氏当選後、中韓、米韓関係の行方に関心が集まっている」と述べ、韓国メディアが「尹政権の外交基調は米国に重きが置かれ、韓中関係は新たな課題に向き合うことになるだろう」というのが各方面の認識だと報じたことを伝えた。尹氏が示した政策は米韓同盟関係の強化に重点が置かれているといい、記事は対中関係について「中国と必要のある経済協力は展開するだろうが、同時に米国と積極的に協力して同盟統一戦線を打ち出す」との分析や「尹政権は米国一辺倒にならず、韓中関係では積極的なことをしない」との見方があることを説明。さらに、尹氏が当選後初となる10日の記者会見で、「中国と『相互尊重』の二国間関係を築く」と表明したことを伝えている。（翻訳・編集/野谷）