2022年3月11日、韓国・ニュース1は「米ブルームバーグが10日（現地時間）、一見華やかに見える韓国の裏側に隠された現実に焦点を当てた記事を掲載した」とし、「自国の映画やNetflixドラマがハリウッドで人気を集め、K-POPが世界的ブームを巻き起こしている韓国の状況は、世界の目には絶好調に映っているが、ブルームバーグが注目したのはその裏側にある政治の現実だ」と伝えた。

記事によると、ブルームバーグは「韓国国民の分裂は深刻で、互いにいがみ合っている」と伝えた。また、9日に投票が行われた韓国大統領選で政治経験のない保守派の検察官である尹錫悦（ユン・ソクヨル）氏が接戦の末に勝利した背景について、「不平等に対する不安が高まっているため」と指摘。韓国の現状を「住宅価格は天井知らずに上昇を続け、平均価格が億単位を超えるソウルでインフレが問題視されている」「一方で賃金上昇は微々たるものである上、日本と同じく人口急減少に直面している」などと説明し、「そのため尹氏は保守に傾き、譲渡所得税を廃止し、法人税を引き下げて容易な雇用と賃金上昇を牽引するなどの政策により勝利することができた」と分析したという。

ただ、ブルームバーグは「尹氏が計画通りに実現するのは、進歩陣営に囲まれた立法府と戦わなければならないため難しいだろう」とも指摘。

最後は、アカデミー賞で作品賞に輝いた映画「パラサイト 半地下の家族」を鑑賞した2019年を想起しつつ、「韓国は高い国内総生産（GDP）にもかかわらず、非常に多くのソウル市民が人生を戦いと考えている」と皮肉り、尹氏に向けて「経済についての人々の関心事はGDPだけではない」「大統領としてするべきことは非常に多い」と強調したという。

この記事に韓国のネットユーザーからは「正しい指摘だ」「文大統領は最初から最後まで、国民の半数にも満たない支持者のことだけを考えていたから、そう見えるのも当然では？」「本当に深刻な分裂を作り始めたのは文大統領だ。対立と分裂をあおって支持率を維持しようとしたからこうなった」「メディアが分裂、対立を作っている」「韓国はどの国よりも民主意識が高い。選挙は白熱するが、結果は受け入れるよ」「せめて外からだけでも華やかに見えていてよかった」などの声が寄せられている。（翻訳・編集/堂本）