2022年3月13日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、ウクライナへの侵攻により西側諸国から厳しい経済制裁を受けているロシアの財務相が、中国に助けを求めるシグナルを出したと報じた。

記事は、ロシアのシルアノフ財務相が13日、西側諸国からの制裁によりロシアが持つ金と外貨準備約6400億ドルのうち約3000億ドルが凍結されたと語った上で、「われわれが持っている一部の金と外貨準備は人民元ベースのものだ。西側諸国は中国への圧力を強めてわれわれと中国との間の貿易を制限しようともくろむとともに、これらの人民元ベースの外貨準備を使うことも制限しようとしている。しかし、われわれと中国とのパートナーシップは現在の協力を引き続き保つばかりでなく、一層協力を強めることが可能だ。特に西側市場の閉鎖的な環境においてはだ」と発言したことを伝えた。

そして、ロシアが2月24日にウクライナへ侵攻して以降、西側諸国がロシアの経済や金融システムに対してかつてないほどの制裁措置を発動しており、中でも海外準備資産凍結がロシアに大きなダメージを与えていると紹介。また、中国の新疆ウイグル自治区などでの人権問題により西側諸国から大きな圧力をかけられており、このような状況において中ロ両国が協力関係を強化していると解説、2月4日には北京五輪開会式出席のために北京を訪れたプーチン大統領が習近平（シー・ジンピン）国家主席と会談して「友好が止まることはなく、協力に禁区はない」と両国による戦略的協力強化の姿勢を示したことを伝えている。

その上で、英ロイターがシルアノフ財相の発言について、「現在までにロシア政府が発した中で最も明確な中国への救助信号だ」と評したことを紹介した。（翻訳・編集/川尻）