Record China 2022年3月16日(水) 17時40分
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ロシア軍の侵攻によるウクライナ戦争が長期化する中、日本の学者らおよそ100人が15日、日本・中国・インドが停戦交渉の仲介を務めるべきとの声明を発表した。
「ウクライナ戦争を1日でも早く止めるために日本政府は何をなすべきか―ウクライナと日本を憂慮する歴史家の訴え―」と題する声明は、戦争の継続はウクライナやロシアの人々の生命を奪うだけでなく、ヨーロッパの危機、世界の危機を決定的に深めることになると指摘。「この戦争を直ちに終わらせなければならない」とした。
その上で、戦闘停止を両軍に呼び掛け、停戦交渉を仲介するのは、ロシアのアジア側の隣国、日本・中国、ないし日本・インドが望ましいと言及。「日本は過去130年間にロシアと4回も深刻な戦争をおこなった国である。最後の戦争では、米英中、ロシアから突き付けられたポツダム宣言を受諾して、降伏し、軍隊を解散し、戦争を放棄した国となった。ロシアに領土の一部を奪われ、1956年以降、長く四つの島を返してほしいと交渉してきたが、日露友好を願いつづけてきた。だから日本はロシアの戦争に仲裁者として介入するのにふさわしい存在である」と訴えた。
また、「中国はロシアとの国境画定交渉を成功させ、ロシアとの安定的な隣国関係を維持しており、国連総会決議には棄権した。ロシアに対する制裁には反対している。インドは伝統的にこの地域に起こった戦争に対して停戦を提案し、外交的に介入してきた。インドとロシアの関係は安定しており、国連総会決議には棄権している」とした上で、「だから、日本が中国、インドに提案して、ロシアの東と南の隣国として、この度の戦争を1日も早く終わらせるために、3カ国が協力して、即時停戦を呼び掛け、停戦交渉を助け、速やかに合意に至るよう仲裁の労をとることができるはずだ」と提言した。
そして最後に、「われわれは日本、中国、インド3国の政府にウクライナ戦争の公正な仲裁者となるように要請する。ロシア軍とウクライナ軍は即時停戦し、停戦交渉を正式に始めよ。ロシア軍はロシアにとっても信仰上の聖地であるキエフへの総攻撃をやめなければならない。ウクライナ戦争を止めるには、すべての者がなしうるあらゆる努力を尽くさなければならない。テレビで戦況を解説する傍観者にとどまってはならないのだ」と呼び掛けた。
同声明には、伊東孝之・北海道大学名誉教授、加藤史朗・愛知県立大学名誉教授、加納格・法政大学元教授、塩川伸明・東京大学名誉教授、富田武・成蹊大学名誉教授、豊川浩一・明治大学教授、羽場久美子・青山学院大学名誉教授ら代表者11人の署名があり、16日に関係者が外務省を訪れて手渡すという。(編集/北田)
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