日本の国家戦略の変化、ウクライナ戦争で加速―華字メディア

Record China    2022年3月19日(土) 5時20分

拡大

華字メディア・日本華僑報は16日、「ウクライナ戦争で日本の国家戦略のモデルチェンジが加速」とする論評記事を掲載した。

華字メディア・日本華僑報は16日、「ウクライナ戦争で日本の国家戦略のモデルチェンジが加速」とする論評記事を掲載した。

記事は、依然として続くウクライナ戦争について、「最終的な結果にかかわらず、21世紀の世界の地政学的地図を書き直す重要な瞬間であり、国際関係史上のターニングポイントとなることは間違いない。この先の世界秩序の再形成に複雑で重要な影響を及ぼすことは必然である」とし、「日本の意思決定層の角度から見て、この事件の長期的な潜在的影響をどのように観察し、効果的な対策を策定するのか。これは、日本の国家戦略の位置付けと、全体の国益の実現にかかわる」と指摘した。

第一に、「『戦略的独立』という国家理念の実現の画策が緊急の議題となっている」とし、戦後日本の国家安全保障の戦略について、「政治家たちは国家理念を設計する際、常に『戦略的従属』と『戦略的自主』の間で議論をしてきた。全体的には、日米同盟体制の保護に依存する『戦略的従属論』が主導的であった」と説明した。その上で、「近年、米国はその力が弱まるにつれ、“世界の警察官”としての役割を果たせないことが多く、戦略的圧力を同盟国に転嫁している。今回の件では、ウクライナが危機に陥った後、米国と西側諸国が見せた、“自分とは関係ないから身を外に置く”という利己的な行動が露呈した。これは、同盟国(米国)に頼って安全を確保している多くの国と地域に警鐘を鳴らした」と指摘。「同盟国に依存して自国の安全を確保するという神話は打ち砕かれ、安全保障同盟において“捨てられるジレンマ”は決して陳腐な国際関係論ではなく、国際政治の現場で起こっている“血だらけのゲーム”の現実である」とし、「したがって、日本が追求する『戦略的自主』という国家理念は、今後の国家安全保障の戦略の方向性を導くだろう」と述べた。

第二に、「あの手この手を使って“憲法改正”しようとする時代の風潮が、岸田文雄氏をも意欲的にさせている」とし、「自民党の政策方針として掲げられて以来、“憲法改正”は右翼の保守派政治家たちが関心を寄せて解決しようと努力する重要な課題であり、特に安倍晋三内閣の時代には多くの精力を注いだが、結局失敗に終わった。岸田氏は派閥の理念からこれまで憲法改正に熱心ではなかったが、首相になるため安倍氏に従うことを誓い、憲法改正を第一の政策課題とすることで安倍氏の支持を得た」とした。その上で、「ロシアとウクライナの衝突の後、岸田氏は、自衛隊の軍事的地位を合法化し、日本に戦略的自主と自発的な宣戦布告の権利を持つことに法的根拠を与えることを目的として、憲法改正が不可欠であると主張した」とし、「岸田氏が発したシグナルには、明らかに国民を説得する意図がある。現在の憲法改正の状況から見て、最大の壁は日本人の憲法第9条に対する保護と信頼であるため、ウクライナの危機を故意に誇張することで、国民に平和憲法の順守を諦めさせ、憲法改正の国民投票で過半数の票を集めようとしている」と主張。さらに「岸田氏が憲法改正を積極的に推進するのは、自身の任期中に偉大な業績を残そうとする意図が多分に含まれている」と述べた。

第三に、「『核兵器保有』という危険な問題を大々的に宣伝することは、日本の戦略的な野心を浮き彫りにしている」とし、「核兵器は日本にとって非常にデリケートな話題であり、痛ましい歴史的記憶が残っている。これは、戦後の日本が原子力の学術研究や戦争への運用において容易に触れることができない“タブー”である」と説明。その上で、「ロシアとウクライナの衝突後、元首相である安倍氏が主張した、米国との『核共有』で戦略的抑止力を強化するという恐ろしい発言は、人々に衝撃を与えた。しかし、この件をきっかけに、日本の意思決定層は間違いなく『核兵器保有』の議題を拡大し、日本が核能力を保有する技術路線を体系的に推進すると同時に、これまで核保有に反対し慎重な意見を持っていた派閥に打撃を与え、核保有派の勢力が意思決定の発言権を握るよう促すだろう」と述べた。

そして、「日本の軍事大国化のペースの加速は、核保有の発案も相まって、東アジアにおける核軍備競争の激化をもたらすだろう」と指摘し、「日本の意思決定層には、日本国民と全人類に対して責任を負うという慎重な姿勢で、冷静かつ理性的に核抑止力の負の側面を認識し、近隣諸国及び世界関連国と核軍縮・軍備管理の実現可能な道を探すことで、東アジアと世界の平和と安定の確保に貢献することを期待している」と述べた。(翻訳・編集/刀禰)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携