台湾、ウクライナ侵攻に自ら重ね対中国戦術を研究、米バイデン政権の派兵否定に不安も―米誌

Record China    2022年3月21日(月) 15時20分

拡大

ロシアのウクライナ侵攻を受け、台湾の軍事専門家が中国の脅威を現実に移した場合の戦術を研究している、と米誌が報じた。米国はウクライナへの派兵を否定。台湾では不安も広がっている。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、台湾の軍事専門家が中国の脅威を現実に移した場合の戦術を研究している、と米誌ニューズウィークが報じた。台湾は海に囲まれており、ウクライナとは異なるが、米国バイデン政権は繰り返しウクライナへの派兵を否定。台湾の一部では不安も広がっている。

同誌によると、ロシアのウクライナ侵攻後、中国軍による異常な動きは報告されていないが、台湾当局は警戒レベルを上げている。ロシアの精密ミサイル使用や、劣勢ながらも考え抜かれたウクライナの戦術は、台湾の安全保障の専門家の間で大きな関心を集めている。

台湾の蔡英文総統は中国との戦力格差を踏まえて「非対称戦争」を提唱。車両搭載型ミサイルなどで軍の機動性を高め、攻撃を困難にすることを目指している。台湾国防大学の中共軍事事務研究所の馬振坤所長は、ウクライナも同じ考えで機動兵器を使ってロシア軍を妨害したと指摘。「ウクライナ軍は非対称戦法をフル活用してロシアの進攻を食い止めている」と述べ、「ウクライナ軍の実績からわれわれはさらに自信を持つことができる」とした。

台湾は自らが開発した対戦車ロケット弾「ケストレル」のほかに、中国内陸に到達可能なミサイルも開発してきた。国防部は3月初め、今年は年間のミサイル生産能力を2倍以上の500発近くとする計画を発表した。中には中国内陸部の目標に到達可能とされるミサイルも含まれている。

国防部は国際安全保障情勢を「綿密に把握している」とし、軍備と防衛戦闘能力を常に向上させる」ために努力しているが、「挑発的ではない」と強調した。

一方で台湾とウクライナには大きな違いがあり、安心感につながっている。例えば、ウクライナはロシアと長い陸上国境で接しているが、台湾と中国との間には台湾海峡がある。

専門家は台湾が中国の軍事的な動きの兆候を容易に察知でき、必要な数十万の兵士と船舶などの設備の動員は侵攻の前に備えることが可能とみている。国防安全研究院のアソシエートリサーチフェローの蘇紫雲氏は、台湾に上陸するには台湾海峡を渡る必要があり、中国にとって「はるかに高いリスクだ」と述べた。

そして台湾にとって気がかりなのは中国が攻撃した場合に米軍から支援を得られるかどうかだ。これについて米国は「戦略的あいまいさ」で明確な回答を示していない。かつて大陸委員会副主任を務めた台湾・中国文化大学の趙建民氏は「台湾の人々は本当に欧米諸国が助けに来てくれると思っているのだろうか」と疑問を呈した。(編集/日向)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携