ウクライナ戦争は台湾にどんなヒントを与える?2人の台湾学者が異なる見解―仏メディア

Record China    2022年3月19日(土) 19時20分

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16日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、ロシアのウクライナ侵攻に対する台湾当局の姿勢について、2人の台湾の学者が真っ向から対立する見方をしていることを伝えた。

2022年3月16日、仏国際放送局RFIの中国語版サイトは、ロシアウクライナ侵攻に対する台湾当局の姿勢について、2人の台湾の学者が真っ向から対立する見方をしていることを伝えた。

記事はまず、淡江大学外交・国際関係学部の陳一新(チェン・イーシン)名誉教授の意見を紹介。陳氏はロシアとウクライナの戦争により、同文同種の争いは必ずしも回避可能なものではないこと、米国の軍事的な約束が信用ならないものであることを浮き彫りにしたとの認識を示し、「バイデン米大統領は米軍の出兵を明確に否定したことで、ロシアやプーチン大統領を安心させてしまった。これはバイデン氏の失策だと思う。そして台湾は、われわれの有事にも出兵しないのではないかと米国への不信感を抱き始めた」と語った。

また、米国への不信感により台湾では中国共産党の挑発に対処すべく徴兵制の議論を始めたが、そこには蔡英文(ツァイ・インウェン)総統が就任以降、反中姿勢を崩さず、今や中国本土との関係を調整することもできない状態にしたことが大いに関係しているとも指摘。「今回の情勢で台湾人が得たのは、中国人同士で傷つけ合う可能性も、米国が手を貸してくれない可能性もあり、自分の国は自分で守らなければならないという教訓だ。(中国本土に対して強硬姿勢を取り続けてきた)蔡総統はこの危機をつくり出すというネガティブな貢献をした」と論じている。

さらに、ウクライナ問題について「小国の首脳として、蔡総統は派手なアクションを取り過ぎている。米国と協力することは構わないし、米国からの圧力を完全に抑えることは難しい。ただ、米国との同盟関係にある日本や韓国はもっと慎重に動いているし、ドイツも注意深い動きを見せている。台湾には米国との同盟関係もないのだから、なおさら慎重にならなければならない」とも語った。

次に、国立中山大学中国・アジア太平洋地域研究所の郭育仁(グオ・ユーレン)教授が陳氏とは異なる意見を持っているとし、その考えを紹介した。

郭氏は、今回の紛争を通じて米国の情報収集の正確さ、そしてインド太平洋戦略を重心とする固い守りが明らかになり、台湾やインド太平洋諸国の米国に対する信頼が高まったとしたほか、台湾は半導体分野など世界のハイテク製品サプライチェーンで独自の地位を構築しており、ロシアに制裁を加える国際的な流れに合わせるのは自然なことであり、蔡総統のロシアに対する姿勢も「決して過激すぎることはない」との見方を示している。(翻訳・編集/川尻

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