習近平国家主席がバイデン米大統領とテレビ会談

人民網日本語版    2022年3月19日(土) 18時0分

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習近平国家主席は18日夜、米国のバイデン大統領とテレビ会談を行った。両国首脳は中米関係やウクライナ情勢など双方が関心を共有する問題について、率直で踏み込んだ意見交換を行った。写真は北京の人民大会堂。

習近平国家主席は18日夜、米国バイデン大統領とテレビ会談を行った。両国首脳は中米関係やウクライナ情勢など双方が関心を共有する問題について、率直で踏み込んだ意見交換を行った。

バイデン氏は、「50年前、米中両国は重要な選択を行い、『上海コミュニケ』を発表した。50年後の今日、米中関係は再び重要なタイミングを迎えており、米中関係発展のあり方が21世紀の世界構造を構築することになる。私は、米国は中国と『新たな冷戦』を戦うことを望まず、中国の体制を変えることを望まず、同盟関係の強化によって中国に反対することを望まず、『台湾独立』を支持せず、中国との間で衝突を起こそうとする意図はない、と繰り返して述べたい。米国は中国と率直に対話し、協力を強化し、一つの中国の政策を堅持し、競争と溝を効果的に管理・コントロールし、米中関係の安定的発展を推進したいと考えている。私は習近平国家主席と密接な意思疎通を維持し、米中関係の舵取りをして方向性を定めていきたいと考えている」と述べた。

習氏は、「昨年11月に私たちが初めて『クラウド会談』を行って以来、国際情勢には新たな重大な変化が起こった。平和と発展というこの時代のテーマが厳しい挑戦に直面し、世界は安定せず平穏でもない。国連の安全保障理事会の常任理事国として、また世界の2大エコノミーとして、私たちは中米関係が正しい軌道に沿って前へ進み発展するようリードしなければならないだけでなく、果たすべき国際的な責任を引き受け、世界の平和と平穏のために努力しなければならない」と指摘した。

習氏は、「私と大統領閣下は中米は相互に尊重し合い、平和的に共存し、対抗を回避するべきであるとの見方にともに賛同し、双方が各レベル・各分野で意思疎通と対話を強化すべきであるとの見方にともに同意する。大統領閣下は今、米国は中国と『新たな冷戦』を戦うことを望まず、中国の体制を変えることを望まず、同盟関係の強化によって中国に反対することを望まず、『台湾独立』を支持せず、中国との間で衝突を起こそうとする意図はない、ということを繰り返し述べた。閣下のこのような姿勢表明を、私は非常に重視する」と強調した。

習氏は、「現在、中米関係は米国の前政権が作り出した苦境からまだ抜け出していないどころか、ますます多くの挑戦にぶつかっている。特に米国の一部の人々が『台湾独立』を主張する勢力に誤ったシグナルを発しており、これは非常に危険なことである。台湾問題がうまく処理できなければ、両国関係に破壊的な影響を与えることになる。米国が台湾問題を十分に重視することを望む。中米関係に現在のような局面が出現した直接の原因は、米国の一部の人々が私たち2人の達成した重要な共通認識を実行に移さず、大統領閣下の積極的な姿勢表明を実行に移さないからでもある。米国は中国の戦略的意図を誤って解釈し、誤った判断をしている」と指摘した。

習氏は、「中米の溝は過去にもあったし現在にもあるが、将来も溝はあり続けるだろう。重要なことは溝をうまく管理・コントロールすることだ。安定的に発展する中米関係は、双方にとってもプラスになる」と強調した。

双方は目下のウクライナ情勢について意見を交換した。

バイデン氏は米国の立場を説明し、「中国と意思疎通を行い、事態のエスカレートを防ぎたい」と述べた。

習氏は、「ウクライナ情勢がエスカレートしてこのような状況に陥ったのは、中国が見たくないことだ。中国は常に平和を主張し、戦争に反対してきた。これは中国の歴史的・文化的伝統だ。私たちはいつも出来事そのものの理非曲直から出発し、独立して自主的に判断を行い、国際法と広く認められた国際関係の基本的準則を守ることを提唱し、国連憲章に基づいて事態を処理することを堅持し、共通した、総合的、協調的で、持続可能な安全保障という考え方を主張してきた。こうした大きな原則は中国がウクライナ危機に対処する時の立脚点だ。中国はすでにウクライナの人道的危機に関して6つの提案を行い、ウクライナと影響を受けるその他の国へ人道主義に基づく支援物資をさらに提供したい考えだ。各方面はロシアとウクライナが対話・交渉を行い、結果を出し、平和に至るよう共同で支援すべきだ。米国と北大西洋条約機構(NATO)の加盟国もロシアと対話を展開し、ウクライナ危機の背後にある根本的な原因を解きほぐし、ロシアとウクライナ双方の安全保障への懸念を解消するべきだ」と指摘した。

習氏は、「現在、世界各国はすでに十分に困難な状況であり、新型コロナウイルス感染症に対処するだけでなく、経済と民生も保証しなければならない。大国のリーダーとして、私たちは世界が注目する問題を適切に解決することを考えなければならず、さらには世界の安定、数十億の人々の生産・生活についてもより考えなければならない。全方位的で無差別的な制裁を実施すれば、苦しむのはやはり一般の人々だ。事態がさらにエスカレートすれば、世界の経済貿易、金融、エネルギー、食糧、産業チェーン・サプライチェーンなどに深刻な危機をもたらし、元々困難に陥っていた世界経済をさらなる困難へ追いやることになり、取り返しの付かない損失をもたらすだろう。情勢が複雑であればあるほど、冷静さと理性を保たなければならない。いかなる状況の中でも政治的な勇気を奮い起こし、平和のために可能性を生み出し、政治的解決の余地を残しておかなければならない。中国には次のような2つのことわざがある。1つは『片方の手だけでは拍手ができない』(一方だけではけんかができない)、もう1つは『トラの首に铃をつけた人こそ、その铃を取りはずすことのできる人だ』(問題を引き起こした人がその問題を解決すべきだ)というものだ。カギとなるのは当事者が政治的な意思を示すこと、目下の情勢を見据え、未来志向で、適切な解決方法を見いだすことだ。当事者以外はそのための環境作りをすることができるし、またそれをすべきだ。目下の急務は対話・交渉の継続、一般市民に死傷者を出さないようにすること、人道的危機の発生を防ぐこと、一日も早く停戦し紛争を終わらせることだ。長期的な道は大国が相互に尊重し合い、冷戦思考を捨て去り、陣営の対抗をあおらず、徐々にバランスの取れた、効果的で、持続可能な世界と地域の安全保障の枠組みを構築することにある。これまでずっと平和のために尽力してきた中国は、これからも引き続き建設的な役割を果たしていく」と強調した。

両国元首は、「このたびのテレビ会談は建設的なものだった。両国の作業チームに対し、速やかに歩調を合わせ、実際の行動を取って、中米関係が安定的発展の軌道に戻るよう後押しし、ウクライナ危機の適切な解決に向けてそれぞれ努力するよう指示を出した」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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