お金で損をした経験を共有、「損組」に見る若者のお金の使い方―中国メディア

人民網日本語版    2022年4月2日(土) 14時30分

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若者はどうやってお金を稼ぐのか、と人々の間で議論が繰り広げられている時に、若者の一部は自分たちがお金で損をした経験を密やかに共有している。

若者はどうやってお金を稼ぐのか、と人々の間で議論が繰り広げられている時に、若者の一部は自分たちがお金で損をした経験を密やかに共有している。SNS「豆瓣」のお金で損をした人たちのスレッド「損組」には、「損の名人」が23万8000人以上いて、さまざまな損失の体験、今も思い出すと胸が痛む「無駄金」の経験などを公開している。若い人はどんなことで損しやすいか、どのような消費行動を「損失」と捉えているかが、外部に現代の若者の消費の特徴を観察する1つの切り口を提供している。中国青年報が伝えた。

若者の「損失の出来事」を通して、彼らがどうやって物事に対処しているかを見ることができ、細かくそろばんをはじく消費習慣が若者の間で「復活」する様子も見ることができる。「損組」の人気スレッドには、手に汗握る「借金返済の督促」のエピソードもあれば、節約の技を暮らしに落とし込むための「損失防止の攻略法」もある。借金を踏み倒そうとする債務者に直面して、主人公はあらゆる手段を駆使するが効果がなく、やむを得ず相手のSNSアカウントへ借金を返すよう公開メッセージを送り、世論の圧力によって債務者に言うことを聞かせた、などというエピソードもある。こうしたエピソードは暮らしの中では滅多にお目にかからないものかもしれないが、動画サイトの会員になったものの何を見ればいいかわからないといったよくある「損の名人」の経験を共有することは、普通の人が暮らしの中で時折ぶつかる「手痛い問題」を鋭く突くものとなる。

一つまた一つと反対方向の動きをする中で、「損組」の人々は損をした経験から精巧で実用的な節約のアドバイスを導き出した。何回試してみても結果は同じ「損失防止の実践」の中で、若者はもはやお金を使うだけ、物を買うだけの「散財小僧」ではなくなり、収入と支出をコントロールできる資産運用の達人に変身した。節約できる時はして、できるだけ損をしないという消費原則により、人々は節制の中にも満足感や幸福感を得られるようになった。一部の人は「元を取る経済学」で生活を細かく指導し、たとえば自分の手を動かして自動車を修理する、コンピュータのメモリやSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)を増設することなどを勧め、これによってますます高騰するサービス料金を節約することや、必需品を買うときには会員向け優待サービスをとことん利用することなどをアドバイスする。

消費の波に追われる中、「お金を損した」という自覚は損をしてしまってから感じるものとはいえ、それでも「人間としての目覚め」だとは言える。「損組」の楽しみ、悩み、つらさは、現代の若者の消費主義に対する反省の気持ちをある程度反映する。暮らしの中のやむを得ない一連の損失を除き、多くの場合、損失は実は避けられるものだ。若い時に損をした項目を並べると、専門的な知識の欠如や衝動的な投資による資産運用の損失などは、ランキングにすれば上位に来ないかもしれないが、実際には若者にとって最も大きな損失額をもたらしているものだ。消費の心理学も私たちに誘惑に満ちた暗示的なビジネスの操作を明らかにしてくれる。それは業者が打ち出す割引きで、買わないとものすごく損をしたような気になるもの。ありもしないさまざまな長所を商品の説明でたくさん並べ立て、消費意欲をかき立てようとする。家の中ですっかりほこりをかぶったプロジェクター、スタビライザー、カメラなどの電子機器を見ると、誰もがかつて手切り族(ネット通販で過剰な衝動買いをしてしまう人々)になってまで大急ぎで購入したことを後悔してため息をつく。

「損」というのは主観性の強い言葉で、人によって利益と損失の感じ方には違いがある。しかし確かなことは、自分のしたことによって損をしたと感じた時には、認識の中で理性が優勢になってくる、ということだ。コストと収益を評価し、選択した損失をはかりにかけることは、利益を求め損害を避けようとする気持ちの表れであり、若者だけの専売特許ではない。嘘偽りのない実感のこもった経験の共有により、「損組」はエピソード集を紡ぐ人のようになる。実害のない笑い話は、多くの人に何倍もの楽しさを与えることができる。誰かの思い出したくない経験や良くない消費習慣を通して、私たちは思いを巡らし、よりよい生活を作り出していくことができる。私たちは自分の家計簿は自分でコントロールしたいと思い、衝動に駆られ、押し寄せる波に追い立てられるような消費はしたくないと思うのだ。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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