中国、都市化実現後も農村に暮らす人口が約4億人

人民網日本語版    2022年4月3日(日) 7時0分

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専門家は「中国全土で今後、都市化がほぼ実現した後も、約4億人が農村で生活することになる」と分析している。

中国国家発展改革委員会がこのほど発表した「2022年新型都市化及び都市部・農村部融合発展重点任務」(以下、「任務」)は、県の行政中心地を重要なキャリアとした都市化建設や都市公共サービスの農村部へのカバー、都市インフラの農村部への拡大などの推進の面で明確な計画を制定している。人民日報海外版が報じた。

現在、中国の都市部で生活する人の数は9億人以上に達している。専門家は、「中国全土で今後、都市化がほぼ実現した後も、約4億人が農村で生活することになる」と分析している。

どのように「都市部による農村部の発展牽引」を実現することができるのだろうか?発展計画において、「任務」は、大・中・小都市と、小さな町の協調した発展を促進し、分業・協業し、機能が整った都市化空間構造の形成を推進すると強調している。発展の重点という面において、「任務」は、県の行政中心地を重要なキャリアとした都市化建設を推進するほか、地理的優位性が高く、産業基礎が良好で、資源環境のキャパシティが高く、人口が集まる経済的環境の良い県の行政中心地の発展をサポートするように指示している。

その過程で、多くの地域が、都市部の資源を県・郷に向けて積極的に供給することを推進し、農村部の発展水準を向上させ、農村の労働者が地元で就職できるようサポートする。また、便利なアクセスを活用して、特色ある観光を発展させている地域もあれば、パーク経済に力を入れ、産業クラスターを構築している地域もある。

司莫拉幸福佤(ワ)郷旅游専業合作社・理事会のメンバーである趙興双さんは、「私たちの村の特色ある観光スポットに来る人がどんどん増えている。合作社に加入してからというもの、地元で働いて固定の収入を得ることができるようになったほか、年末にはボーナスももらえる」と笑顔で語る。雲南省騰衝市清水郷三家村の司莫拉ワ族村は、騰衝市内から12キロ離れた、500年以上の歴史を誇るワ族の集落だ。

公共サービスを農村部へ拡大

都市部・農村部の融合発展を促進するためには、都市の基本公共サービスの均等化を促進するほか、都市公共サービスが農村部もカバーするようにならなければならない。

どこで生活するかの選択肢が増えている。傅子土さん(54)は以前、長江デルタ地区で長年出稼ぎをしていた。しかし、近年は、福建省泉州市金涛鎮にある実家に戻っており、「田舎と言っても、今はどんな良い物でもここで買うことができ、南京や杭州といった大都市と何ら変わりはない。特に、医療条件が以前に比べて随分と良くなった。これも実家に帰ることにした主な理由だ」と話す。

生活の質も高まっている。河北省保定市に住む陳美華さんは、以前は都市部に集中していた5Gネットワークや交通機関、道路、教育といった資源が、今は農村部にも拡大していると感じており、「それらが、農村部の生活の質をさらに都市に近づけ、一般庶民に実質的な益が及んでいる」と話す。

農村部の「自己発展機能」向上がキーポイント

「都市部による農村部の発展牽引」を実現するためには、産業の発展がカギとなる。統計によると、3月22日時点の県級以下の行政単位(郷、鎮、村)の登録企業数を見ると、江蘇省が最多で、合わせて881万5300社ある。以下、広東省(703万8800社)、山東省(669万1100社)、浙江省(520万8800社)、河南省(517万8200社)と続く。業界の分布を見ると、2021年、新規企業は主に小売業や卸売業、飲食業、住民サービス業、牧畜業に分布していた。

産業が発展しなければ、農村部の経済に活力をもたらすことはできない。専門家は、「『任務』が言及している『都市部・農村部を繋ぐコールドチェーン物流、ECプラットフォーム、農産物マーケットネットワークの建設、重要農産品貯蔵施設と都市部・農村部コールドチェーン物流施設建設』といった措置は、農村部経済の『自己発展機能』向上というキーポイントに注目している」と分析する。

中国社会科学院農村発展研究所の李国祥研究員は、「農業生産の機械化やスマート化が進むにつれて、農村では今後、さらに多くの労働者が生まれることになるだろう。新型都市化を促進するためには、経済発展の規律に従い、大都市、小都市、県の行政中心地、郷・鎮、農村部の間で、要素がより合理的に流動し、産業チェーンがより合理的に配置されるよう推進し、県域産業の発展や農村部の経済サポートを通して、都市部による農村部の発展牽引や都市部・農村部融合を実現すると同時に、農村の過疎化を避けなければならない」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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