ファーウェイが構造改革をさらに一歩進める、10分野で自己完結型の「集団」が正式スタート

Record China    2022年4月7日(木) 9時50分

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ファーウェイはこのほど、2月に「予備軍団」として発足させた分野別の10集団を、正規の「軍団」にした。同社は構造改革をさらに一歩、進めた。写真は新たな「軍団」の成立イベントに臨んだ任正非CEO。

金融情報を扱う中国メディアの証券時報傘下の券商中国はこのほど、華為技術(ファーウェイ)が2月に「予備軍団」として発足させた分野別の10集団を、正規の「軍団」にしたと報じた。同社は構造改革をさらに一歩進めたことになる。なお、ファーウェイが使っている呼称の「軍団」は軍事関連の業務には関係なく、軍組織のように自己完結型で任務を効率的に進めることを意味する。

ファーウェイは2021年秋に、「炭鉱軍団」、「スマート道路軍団」、「税関・港湾軍団」、「スマート太陽光発電軍団」、「データセンター・エネルギー軍団」の5軍団を設置した。ファーウェイと言えば、スマートフォンの売り上げ台数で一時アップルを抜いたことなどで知られるが、これら5軍団は消費者向けの事業ではなく、企業や行政など事業推進者向けの、いわゆるB2Bビジネスを手掛ける特徴がある。

ファーウェイ創業者であり最高経営責任者を務める任正非氏は「軍団」について、2014年6月6日付のニューヨーク・タイムズ紙の記事でアイデアを得たと説明している。同記事は、グーグルが社内に博士号保有者、科学者、技術者、営業や販売専門家などで構成される50-60人程度の、手掛ける対象を特化させた集団を設置し、それぞれの担当分野で世界一を目指すことを目標にしていると紹介したという。

「軍団」方式にしたのは任CEOが、一つの分野に特化した自己完結型の集団は、顧客ニーズをより的確に把握し、顧客の求めをより迅速に実現することができると判断したからという。各「軍団」がそれぞれの分野について最適化された方法で顧客が抱える問題を解決する方法を考案し、製品開発を進め、さらには維持補修を手掛けるビジネスモデルだ。ファーウェイは「軍団」の設立について「臨機応変な機動的戦略戦術」とも説明している。

新たに設立された10軍団が受け持つ分野は「電力デジタル化」、「行政関連ネットワーク」、「空港関連軌道交通」、「インタラクティブメディア」、「スポーツと健康」、「ディスプレイコア」、「学園キャンパス」、「広域ネットワーク」、「データセンター基盤」、「デジタルサイト」だ。

最初に予備軍団を設置としたのは、その後の進展状況を判断して、正式の軍団にするかどうかを判断するためだったとされる。「予備軍団」だった時期と正規の「軍団」では名称が若干変更された場合があり、並べられた順番にも変化があった。

予備軍団の名称がやや変更されたことは、念頭に置く対象分野の範囲がやや調整されたことを意味するが、特に大きな変更はなかった。

新たに設立された第2陣の10軍団も、最初の5軍団と同様にほぼB2Bのビジネスを手掛ける。例外としては「スポーツと健康」分野ではファーウェイが2021年ごろから力を入れているスマートウオッチが重要な商品だが、「スポーツと健康」でも消費者向けのスマートウォッチなどの販売だけをするのではなく、大病院と連携してスマートウオッチで収集したデータを健康管理に役立てる技術の高度化を進めている。その意味で、「デジタル技術ですべてを結びつける」という同社の理念にしっかりと結びついている。

任CEOは「現在の国際情勢は目まぐるしく変動している。われわれは、ますます厳しく圧力をかけられている時にあって、戦う姿勢を安定させ、積極的に隊列を調整し、顧客のために価値を創造せねばならない。動揺してはならない。機動的な戦略戦術を採用せねばならない」と表明したという。

新たな10軍団の成立セレモニーには、任CEOの娘でありファーウェイの最高財務責任者(CFE)と輪番会長を兼任する孟晩舟氏も出席した。ファーウェイが採用する「輪番会長制」では、副会長3人が半年交代で会長として全社の指揮を執る。孟氏の輪番会長就任は4月2日に報じられた。

孟氏は2018年12月に立ち寄り先のカナダの空港で逮捕され、2021年9月下旬まで帰国できなかった。孟氏は2022年3月28日に開催された2021年12月期の決算発表会で記者の質問を受け、帰国後の状況について「中国は変化がとても速いので、(帰国できなかった時期の空白を埋めるための)勉強が大変だった」と述べたが、少なくとも今後半年間にわたり、ファーウェイの経営全体により深く関わることになる。(翻訳・編集/如月隼人

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