中国のニュースサイト・捜狐に6日、フィギュアスケートの羽生結弦が中国の熱烈なファンの行為を制止するような場面が見られたとの記事が掲載された。

羽生は今年2月に行われた北京冬季五輪に出場し、男子シングルで4位入賞を果たした。中国で高い人気を誇り、大会前に組織委員会が募集した選手への応援メッセージでは、数万通の封書やはがきのうち2万通が羽生へのものだった。目標の3連覇はならなかったものの、気持ちのこもった演技や礼儀正しい振る舞いは逐一報じられ、改めて中国のファンのハートをつかんだ。

一方で、中国のファンによる過激な行動もあったようだ。記事によると、このほどインターネット上に掲載された動画には、建物の外で「出待ち」をしていたファンが羽生が乗った車が出てくるなり大きな歓声を上げる様子や、一部の興奮したファンが警備員の制止を振り切って動き出した車に駆け寄っていく様子、追いかけてきたファンに対して車中の羽生が手で「×」のマークをしている様子などが映っていた。

この様子について、ネット上では「恥ずかしい」「命知らず。低レベルすぎる」「彼はスターじゃなくアスリートだ」といった批判が出たほか、羽生ファンからも「彼が手で制止しているのが見えなかったのか。道路の脇で手を振るくらいは理解できるけど、動き出した車を追いかけていくのは危険だし、彼を困らせることになる」と苦言が呈された。

記事は、「羽生は以前から『ファン文化』の被害者だった」とし、過去にも羽生がファンと握手をした際に自動ドアにぶつかり、右目の上を負傷したことに言及。こうした極端な追っかけ行為はアスリートに良くない影響を与えるため、理性を保って応援することが大切だと論じている。（翻訳・編集/北田）