Record China 2022年4月11日(月) 7時0分
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ロシアやウクライナ向けのアパレル輸出業者が入居する北京市内の天雅大廈は現在、人も商品もない状態だ。
海外滞在華人向け情報サイトの文学城は9日、ロシアやウクライナ向けのアパレル輸出業者が入居する北京市内の天雅大廈は現在「人も商品もない状態」と紹介する記事を掲載した。
どのフロアでも営業している業者はごくわずかだ。営業していないのではなく、がらんとしたスペースだけが残っている、つまり完全に撤退した業者も多いという。それでも営業を続けていた業者の一人は、ロシアがウクライナに攻め込んでからは「売り上げがどれだけ減ったかという問題ではありません。ゼロになってしまいました」と説明した。
同業者によると、第一の原因は商品の発送が困難になったことだ。北京からロシアに商品を送る場合には鉄道を利用するが、鉄道路線はウクライナを経由してロシアに入る。戦争の発生で鉄道を使っての発送はできなくなった。商品をまず広州に送ってから海路でロシアに送ることはできるが、ウクライナへの発送はできない状態だ。
もう一つの原因は、米国などの制裁によってロシア通貨のルーブルが大暴落したことだ。取引の決済は米ドルまたは人民元で行われるが、ルーブルに換算すれば極めて高額になってしまうので、ロシアの輸入業者と価格面で合意できない状態が続いている。
同業者によると、新型コロナウイルス感染症の発生に伴い、多くの業者がオンライン販売に切り替えたので、天雅大廈に出店する業者は減少した。ロシアがウクライナに侵攻してからは、撤退する業者がさらに大幅に増えた。また、北京市内の業者が苦境にあるのは、感染症や戦争だけが理由ではない。それ以前にも、海運を利用する方が鉄道利用よりも費用が少ないので、対ロシア輸出などでは、広州の業者が競争力を高め続けている状態だったという。(翻訳・編集/如月隼人)
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