中国の国家体育総局がこのほど発表した、2022年のアスリート大学本科推薦リストに、米国出身ながら中国のフィギュアスケート代表として北京冬季五輪に参加した朱易（ジュー・イー）選手（19）の名前があると伝えられ、中国のSNS上で物議を醸している。

朱選手をめぐっては、北京冬季五輪の団体戦で転倒して順位を下げると、中国のSNS上で「朱易が転んだ」とのハッシュタグが付いた投稿が2億回以上のアクセス数を記録。中国語が上手ではないことへの批判や、「父親が科学者だからコネで代表に選ばれたのだろう」「米国のスパイだ」との声まで上がるなど、大バッシングが起きた。

騒動を受け、中国版ツイッターの微博（ウェイボー）は「アスリートへの誹謗（ひぼう）中傷」を理由に約1000のアカウントを投稿禁止にしたほか、中国の複数のメディアもより寛容・冷静になるよう呼び掛ける記事を掲載した。

中国メディアの鳳凰網が13日、ウェイボーへの投稿で、国家体育総局の大学本科推薦リストについて伝えると、コメント欄は「五輪金メダリストたちでさえ北京大に行けなかったのに、彼女が行けるなんて驚き」「良い父親がいるからね」「朱さんが何を専攻するのかに関心がある。数学、コンピューター、人工知能（AI）とかだったら……」「バックグラウンドが普通の人とは違う。公平なんて存在しない」「コネは無敵」など、批判的な反応がほとんどだった。（翻訳・編集/柳川）