フィギュアスケートの羽生結弦が見せた2つのクワッドアクセル（4A）を比較する映像が、中国のSNS上で話題になっている。

中国版ツイッター・微博（ウェイボー）の羽生のファンアカウントは27日、「2つの異なる4Aの入り方」と題し、動画を投稿した。

羽生は今年の北京冬季五輪での4Aについて、昨年12月の全日本選手権での4Aと入り方を変えたと語っていた。動画では、全日本選手権の4Aの入り方が「Hope & Legacy」のトリプルアクセル（3A）の入り方と同じであること、北京五輪での4Aの入り方が、9歳の時に跳んだダブルアクセル（2A）の入り方と同じであることを紹介している。

同アカウントは、「全日本の時は自分の感覚に近い『Hope & Legacy』の3Aの入りをしたがうまくいかなかった。そして、幼いころに自分が跳んだ2Aを見てこれだと思い、オリンピックでは9歳の時と同じ入り方をした」と説明し、「比較するとそれぞれの動作が全く同じだということが分かる」とつづっている。

中国のファンからは「だから本当に、9歳のころの自分と一緒にトライしていたんだね（泣）」「彼も9歳の自分が手を取ってくれたって言ってたね」「羽生くんの言葉を聞いた当時はよく分からなかったけど、そういうことだったのか」「彼の言葉の本当の意味がよく分かったよ」「彼の言葉の一つ一つが味わい深い」といった声が上がった。

また、「本当に9歳のころのジャンプと全く同じだね」「27歳の羽生結弦が9歳の羽生結弦と一緒に4Aを完成させたんだ！」「まさに、彼が言っていたことだね」「なんだか泣けてくるよ」「どんなあなたも最高です」といった声も寄せられた。

羽生は北京五輪後の会見で次のような言葉を残している。

「僕の心の中に9歳の自分がいて、あいつが『跳べ』とずっと言っていたんですよ。ずっと『お前下手くそだな』と言われながら練習をしていて。でも今回のアクセルは褒めてもらえたんですよね。一緒に跳んだというか、ほとんどの人は気づかないと思うけど、実は同じフォームなんですよ。9歳の時と。ちょっと大きくなっただけで。だから一緒に跳んだんです」

「ずっと壁を上りたいと思っていたんですけど、いろんな方々に手を差し伸べてもらって、最後に壁の上で手を伸ばしていたのは9歳の俺自身だったなって。最後にそいつの手を取って一緒に上ったなという感覚があって。そういう意味では、羽生結弦のアクセルとしてはこれだったんだと納得しているんです」（翻訳・編集/北田）