中国国家林業・草原局東北虎豹モニタリング・研究センター副センター長を務める北京師範大学准教授の馮利民（フォン・リーミン）氏が率いる研究チームは10年近くに及ぶ調査・研究により、太行山、呂梁山、子午嶺などの山脈で野生のヒョウを発見した。一部地域ではすでに持続成長が可能な個体群が形成されており、野生ヒョウの個体群が拡散する流れが見られる。新華社が伝えた。

ヒョウは国家1級保護動物だ。20世紀後半、中国の華北や西北などの地域で野生ヒョウの数が激減した。近年、人類活動の減少と森林植生の増加に伴い、野生ヒョウの個体群がその従来の生息地で徐々に回復している。

馮氏は、「陝西省子午嶺での長期・定位置モニタリングでは、同地域のヒョウの個体群の密度は100平方キロメートル当たり2．4頭で、個体群の数が110頭前後に上っている。山西省和順県のあるヒョウの群れの密度は、数年前の100平方キロメートル当たり1．2頭から現在の1．6頭に増加した。食物連鎖のトップに位置する捕食者としてのヒョウは、その個体群の回復は動植物の群落と生物多様性の回復、さらには生態系の全体的な回復と関わる。そのためヒョウは生態系のキーストーン種、生態回復の指標種だ」と述べた。

馮氏の率いる研究チームの計算によると、陝西省延安市内の子午嶺林区のヒョウの個体群の数は110頭前後で、中国の現在まで確認されているうち、数が最多で密度が最高の野生ヒョウ地域個体群だ。（提供/人民網日本語版・編集/YF）