Record China 2022年6月4日(土) 7時30分
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ドイツメディアのドイチェ・ヴェレ中国語版はこのほど、「中国の教科書のイラストはどのように物議を醸したのか」とする記事を掲載した。
中国では最近、学校教材のイラストを巡って論争が続いている。中国教育部傘下の人民教育出版社が出版した小学4年生の教科書のイラストが「中国人を醜悪化している」と批判を浴びたのが発端だった。イラストの児童は目の間隔が開きすぎていたり、鼻がつぶれていたり、おでこが広かったりしたほか、舌を出すなどのおかしな仕草も批判の的となった。
また、女子児童のスカートをめくれたり、パンツを見せる男子児童が描かれていた他、性器を強調したようなイラストもあることが分かった。ほかにも、中国国旗を逆向きに掲げた様子や、米国国旗の配色の服を着た児童も描かれており、さらに批判の声が高まった。
別のある教材では「妻に暴行を加える」という描写も登場した。台湾の医師で作家の蔡依橙氏は「イラストだけでなく内容も問題。ジェンダー平等の概念が欠けていることも浮き彫りになった」と指摘している。
問題となった人民教育出版社の教科書は、2012、13年に教育部の審査に合格しており、中国全土の小学校で10年ほど使用されていたという。
教科書のイラスト問題は中国国内で大きな反響を呼んだ。SNS・微博(ウェイボー)では関連ワードが相次ぎトレンド入り。あるインフルエンサーは「子どもの教材について、科学的で厳格な教材審査の基準が我が国にあるのだろうか」と疑問を呈した。
中国の政府系メディア・法治日報は「国家百年の大計は教育が基本。大々的に謝罪し改善するだけで、問題の根源を掘り下げず、誰も責任を取らないのであれば、このような『毒教材』や『毒絵本』の事件が今後も発生するだろう」と報じた。
また、共産党機関紙・人民日報系の環球時報の元編集長・胡錫進(フー・シージン)氏も「このイラストは明らかに作風の域を超えており、道徳的にも文化的にも全く受け入れられない」とし、厳しく取り締まるよう訴えた。
騒動を受け、中国教育部は5月27日、ウェブサイト上で人民教育出版社に直ちにイラストを描き直し、2022年秋から新たな教材が使用できるようにするよう求めたと発表。また、全国の小中学校の教材を対象に全面的な調査を行い、改善することを表明している。(翻訳・編集/北田)
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