リウ・イーフェイ主演の時代劇「夢華録」が驚きの高評価、何を意味しているのか

anomado    2022年6月16日(木) 20時30分

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香港紙・文匯報は14日、「『夢華録』の高評価は何を意味しているのか?」とする記事を掲載した。

香港紙・文匯報は14日、「『夢華録』の高評価は何を意味しているのか?」とする記事を掲載した。

動画配信サービスの騰訊視頻(テンセント)で2日から配信をスタートした時代劇ドラマ「夢華録」は、まだ放送の半分にも至っていないにもかかわらず、ネットユーザーから8.8点という高い高評価を受け、各プラットフォームで頻繁に検索話題ランキングに入っている。

記事は「これは、ドラマ自体が認められたというよりも、アイドル時代劇の観客の抑えられていた観賞需要をようやく満たしたということだろう」と分析。「多くのアイドル時代劇はこぞって『脱実向虚』に向かい、ネット上の原作ファンタジーを何度も改変し、平凡でありきたりな恋愛叙事と粗雑で大げさな制作を繰り返す。そうして“ファン専用ドラマ”を作っている間に、『夢華録』の制作者は再び歴史に目を向けることを選んだ。『趙盼児風月救風塵』や『東京夢華録』などの古代文学から養分をくみ取り、アイドル時代劇の内容と人物の造形を豊かにし、その創作に清雅な風を吹き込んだ」とし、これが何を意味するかについて述べた。

一つ目に、「アイドル時代劇の『供給』のライン生産に対する大衆の嫌悪を意味する」とし、ネットユーザーから本作に対して寄せられたコメントについて「コメントの角度はそれぞれ違うが、どれも『美』という文字に関するものである」と指摘。登場人物について、「まずはプラットフォームが最も重視する主役選び。『美』は、紋切り型の精巧な顔立ちと磨かれた肌の美顔ではなく、顔をしかめても笑っても、一挙手一投足からでさえ発せられる天然の魅力だ」とし、「35歳のリウ・イーフェイ(劉亦菲)は、『神雕侠侶』の小龍女を演じた当時の絶頂期に戻ることも、現在の『ネット有名人の美的感覚』に合わせて容姿を簡単に変えることもせず、むしろ歳月を経た自信と味わいを持っており、彼女が古典美人を演じる上での自然な強みとなっている」とした。

物語については、「アイドル時代劇の内容の中心にあるラブストーリーにおいて、『美』とは、観客に高密度の“砂糖をまく(ような)”交流と甘いラブストーリーの中にあるのではない。男女主役の美しい振る舞いを表現することに力を尽くし、(2人が)共に経験した人物や物事を映すことに心を尽くすことによって、少しずつ愛情を深くさせていくことにある」とし、本作について「具体的な展開の中で、作者は露骨な告白やせっかちな“砂糖まき”で視聴者をごまかすのではなく、言外の余白に感情が流れていることを知っている。奥ゆかしい感情を含んでこそ登場人物が身にまとっている時代の姿と一致し、芝居ではなく観客が根気よくゆっくりと読む空間になるのである」と述べた。

二つ目に、「アイドル時代劇ストーリーの『脱実向虚』の傾向に対する大衆の反感を意味する」とした。記事は、これまでにヒットした時代劇の共通点は「ゲームやインターネットの原作を改編し、観客が何度見ても飽きない美男美女のラブストーリーを1つの美しい幻想的な世界に置くことだ」とした上で、「しかし、本来は自由にアイデアを出せるはずの創作空間が、制作者が手を抜く快適な空間に変わってしまったのは残念である」と指摘。「このような流れの中で、『夢華録』は北宋を時代背景に選んだ。数話の筋書きは元代の戯曲『趙盼児風月救風塵』を脚色したものだ。これは一貫してでたらめなアイドル時代劇のラブストーリーに、真実味を持たせた」と述べた。

最後に、「もちろん、多くの歴史ドラマと比較すると、『夢華録』の歴史に対する態度はまだ“厳密”とは言えない。特に『救風塵』を原作としたものは、主にストーリーの筋を借用するもので、その思想的な内容までを主に恋愛をめぐる流行ドラマの中に十分に具現することはできない。しかし、大衆、特に青少年層向けのアイドル時代劇については、『夢華録』がファンタジーから現実へと転換し、豊かな歴史や文化的要素を求めようとする創作理念は、すでに喜ばしい一歩を踏み出したことになる。そしてその一歩は、イノベーションというよりも回帰である」とし、「結局のところ、『アイドル時代劇』という名詞が誕生する前に、多くの良質な時代劇の恋愛ドラマはすべて明清の伝奇や民俗伝説を題材としたものだ」「その意味では、『夢華録』の8.8という点数の高さが一時的なものでもそうでなくても、この点数が代表する大衆の声はすでに後続の創作の風見鶏となる意味をもたらすことができたのである」と指摘した。(翻訳・編集/刀禰)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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