Record China 2022年6月17日(金) 23時0分
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新型コロナウイルス対策ための都市封鎖がようやく解除された中国・上海市。市当局は失った外国企業の信頼を回復しようと積極的に対応している。写真は上海。
新型コロナウイルス対策ための都市封鎖(ロックダウン)がようやく解除された中国・上海市は失った外国企業の信頼を回復しようと積極的に対応している、とロイター通信が報じた。外国企業と対話する機会を数多く設け、いったん出国していた駐在員の再入国に関する規制を緩和するといった形だ。
上海のロックダウンは2カ月におよび、この間に数え切れないほどの駐在員が退去を余儀なくされ、外国企業からは投資計画の再検討を警告する声が満ちあふれ、中国で最も国際的で最大の商業都市というイメージは失墜した。
ロックダウン期間中、上海市は各工場について、いわゆる「クローズド・ループ方式(従業員を工場内に閉じ込めて仕事だけでなく、生活までさせること)」での操業を続けさせようとしてきた。ただ、この方式には多くの困難な問題がある、というのが企業側の訴えだった。
ロイター通信によると、こうした中で上海市は6月中に自動車や商社、半導体、バイオ医薬品など主要分野の外国企業と計20回の会合を開く計画だ。市政府系の地元紙が伝え、市のホームページにも改めて記事が掲載された。
対話の相手に選ばれたのは、中国に大規模な投資をしている米国や欧州、日本、韓国などの地域の企業。上海市の発表によると、今月初め以降で既に4回のオンライン会合が開かれている。初回会合には米日用品大手プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や米医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などの幹部が出席。2回目にはテスラやフォードといった米自動車メーカーが顔を見せた。
さらに欧州商工会議所は上海市の副市長から「働くために上海に戻ってくる外国人とその家族に、もはや当局は工作許可通知(PU招へい状)の取得を義務付けない」と通知されたことを明かした。
中国は新型コロナが猛威を振るっていた2020年初め、国境管理を極めて厳格化する目的で外国人に対して労働ビザ申請手続きの一環としてPU招へい状を取得するよう要求。多くの外国企業は取得の難しさや時間の長さに不満を表明し、外国人スタッフ採用の妨げになっていた。
一方で中国は「ゼロコロナ」政策を堅持。ワクチン接種の広がりとともに経済活動再開にかじを切った世界の多くの地域とずれが生じている。
欧州商工会議所のイエルク・ブトケ事務局長は「ゼロコロナ政策は上海の魅力を損なっているばかりか、特に他のライバル市場が門戸を開いて中国から企業を取り込もうとしているだけに、中国全体に打撃を与えている」と指摘。「世界は中国が今の混乱を収めるまで待ってくれないだろう」と忠告した。(編集/日向)
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