中国税関総署はこのほど、台湾から輸入された水産物の外装からPCR検査陽性の反応が出たことを受け、緊急措置を取った。中国のニュースサイト・環球網が16日付で伝えた。

15日の国務院台湾事務弁公室（国台弁）の記者会見で、馬暁光（マー・シャオグアン）報道官は「台湾から輸入された冷凍水産物の外装のサンプルからPCR検査の陽性反応が出た。中国税関総署公告2020年第103号の規定に基づき、6月10日から1週間、関連企業の製品の輸入申告受け入れを一時停止する」と述べた。

台湾メディアの聯合新聞網によると、問題となった冷凍水産物はタチウオだ。中国税関総署は10日、「台湾地区のある企業に対して緊急予防措置を取る」と発表。台湾の北都冷凍食品工業股彬有限公司が中国本土に冷凍輸送したタチウオの包装から新型コロナウイルスの陽性反応が検出されたという。同社は15日、「仕入れ先の処理過程に問題があった可能性があり、すでに原因の解明と改善に取り組んでいる」とした。

中国が台湾からの水産物の輸入を一時停止するのは最近で2度目。中国税関総署は10日、「台湾産ハタからマラカイトグリーン、クリスタルバイオレットなど使用禁止薬物のほか、基準値を超えるオキシテトラサイクリンが検出されたため、6月13日より台湾産ハタの通関手続きを暫時停止する」と発表していた。

15日の国台弁の会見で記者が「中国が台湾ハタの輸入を一時停止したことで、台湾で次（の輸入停止）は中国市場に大きく依存しているコノシロになる可能性があると懸念されている。現在中国は台湾の他の水産物について注意を促しているのか？」と質問すると、馬氏は「農漁産物の養殖は両岸の同胞の食の安全に関わる」とし、「台湾の人々は自分たちの食卓にあるものを大切にしているが、中国の庶民も同じように大切にしている。禁止薬物が含まれたり、基準値を超える薬物が含まれていたりする農漁産物を中国に販売するなど到底あってはならないことだ。われわれは台湾民主進歩党当局に、衛生管理の問題を厳しくチェックし、真剣に責任を持って根本から改めるよう忠告する」と述べた。（翻訳・編集/刀禰）